幌延_評価書_11章 準備書についての意見と事業者の見解
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<動物について> 意見書2 意見 ■鳥類 ・希少猛禽類 貴社が実施した環境影響評価においても、希少猛禽類のオジロワシとオオワシが対象事業実施区域とその周辺を主要な繁殖地および越冬地として利用していることが明らかになりました。特にオオワシは既存のオトンルイ風力発電所の事業地の範囲に飛翔線が少ないことから、障壁影響が起きており、施設が存在すること自体がオオワシの行動に著しい影響を与えていると考えます。 また、希少猛禽類のチュウヒは対象事業実施区城内を主要な採餌環境としていることも明らかになりました。以上のことから、対象事業実施区域およびその周辺での風力発電施設の建設は取り止めるべきです。 なお、希少猛禽類に対する飛翔状況に関する事後調査(空間飛翔調査)は、気象条件等により飛翔が影響を受け、適切な結果を得られない可能性があるため、月1回では少なすぎます。最低でも月に3回は行うべきです。 ・ガン・ハクチョウ類 建て替えられる風車は既存のものよりもかなり大型であることから、障壁影響が発生やその程度が増大することが懸念されます。そのため、既存の風車を取り壊した後に、風車が建っていない状況で1年間程度の空間飛翔調査を行い、取り壊し前と後とで調査結果を比較すべきです。また、風車の建て替え後も空間飛翔調査を行い、対象事業実施区域の北側に隣接する(仮称)浜里風力発電事業があることによリ生じる、累積的影響も含めてガン・ハクチョウ類の渡りの状況に変化や影響がないかを確認すべきです。 ・小鳥類 環境影響評価の際に実施されたレーダー調査の結果から、特に秋の夜や日中にヒガラを中心に多くの鳥類が風車のローターブレード回転域を渡っていることが分かり、この地域が小鳥類の渡りにとって重要な場所であることが改めて確認されました.ローターブレードの回転域を飛翔する鳥類の個体数割合が全体の30%程度であることは、渡り鳥全体の数から考えても少ない数字とは言えません。そのため、渡り鳥の保全の観点からも対象事業実施区域およびその周辺での風力発電施設の建設を避けるべきです。万が一、施設を建設することになった場合でも、鳥類の渡り時期における施設の稼働停止をすることにより、渡りへの影響を避けるべきです。 ・死骸探索調査 死骸調査の間隔が長いと、死骸がカラス類やキタキツネなどに持ち去られ、発見できないことがあるので、月2回ではなく、週に1回程度に調査頻度を増やすべきです。 6 一般の意見 事業者の見解 【希少猛禽類】 ・オオワシについては、風力発電機稼働前のH13-14年の調査時において、海岸沿い、砂丘林沿いを主に飛翔していたことが確認されており、現在も同様の飛翔行動が確認されています。年間予測衝突数については、既設風力発電機より新設風力発電機で少なくなると予測しています。以上により、風力発電機がオオワシに影響を与えている可能性は小さいと考えています。 ・チュウヒについては、H13-14年頃には2つがいの生息・繁殖を確認していました。その後、既設風力発電設備が稼働中の18年間で、対象事業実施区域周辺を採食場所として利用するチュウヒは7つがいまで増加しました。そのため、風力発電機がチュウヒの生息に大きな影響を与えている可能性は小さいと考えています。 ・事後調査については、現況調査と比較する必要があるため、現況調査と同様に月1回の調査を行う計画としています。 【ガン・ハクチョウ類】 ・リプレース工事計画では、既設風力発電機の撤去と並行して、新設風力発電機の建設を行う計画としていることから、風力発電機が立っていない期間は殆どないと考えられます。そのため、風力発電機が立っていない状態での調査は実質できないと考えております。 ・対象事業実施区域は、ガン・ハクチョウ類のねぐらや餌場間の移動ルート上にないことが現地調査結果により確認されています。渡りの際に既設風力発電機上空や周辺を通過する際には、高空を飛翔していることを確認しており、年間予測衝突数については、既設風力発電機より新設風力発電機で少なくなると予測しています。 ・事後調査として実施予定の猛禽類調査と併せて、渡り鳥についても調査を行います。 11-8 (1552)

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