幌延_評価書_10章2~4(保全措置、事後調査、総合評価)
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重要な種及び注目すべき生息地動物 選定項目 オジロワシ、チュウヒの繁殖個体及び渡り鳥については、隣接する(仮称)浜里風力発電事業との累積的影響についても検討を行った。 オジロワシAペアについては、海岸線への移動ルートは分断されないこと、チュウヒについては、既設風力発電設備周辺で探餌行動を行っており、18年間で衝突は確認されていないことなどから、累積的な影響は小さいと予測する。 渡り鳥のうちガン類、ハクチョウ類、カモメ類については主要な渡りルート上にはないこと、猛禽類は目視で風力発電設備を避けており、各風車は移動ルートを大きく遮るものではないことから、累積的な影響は小さいと予測する。 【評価】 造成等の施工による重要な種への一時的な影響、地形改変及び施設の存在並びに施設の稼働後における重要な種への影響を低減するための環境保全措置は次のとおりである。 <造成等の施工による一時的な影響> ・既設風車撤去作業時及び新設風力発電設備建設工事は、繁殖期初期にはオジロワシの既存営巣地から離れた場所から工事を開始し、既存営巣地に近い風力発電機は、繁殖期初期には可能な限り工事を避ける。 ・工事騒音等が最も大きくなる時期(既設風力発電設備の撤去工事時等)において、猛禽・風力発電機の設置及び搬入路の敷設に伴う樹木の伐採や改変は、必要最小限にとどめる。・工事関係者による改変区域外への必要以上の立ち入りを制限し、動物への影響を低減す・工事関係車両の走行速度等の注意喚起に努めることで、事業実施区域内を餌場として・土砂の流出を防止する対策として、適切な場所に土砂流出防止柵を設置する。 ・可能な限り排出ガス対策型・低騒音型・低振動型の建設機械を使用する。 ・発生する生活排水(手洗い用の水等)は少量であるため、浸透桝等を設けて適切に処理・定期的に会議等を行い、環境保全措置を工事関係者に周知徹底する。 <地形改変及び施設の存在並びに施設の稼働> ・新設風力発電設備の配置は、景観等に配慮して直線的で概ね等間隔とした上で、オジロワシの営巣地への配慮として既設風力発電設備より北端から南側へ約200m、南端から北側へ約200m離した位置に配置し、植生自然度9,10の植生を可能な範囲で避けた配置計画とする。 ・音声発生装置を風力発電設備に設置し、渡り時期の夜間に忌避音を発することで、渡り鳥等の風力発電設備への衝突確率を低減させる環境保全措置を実施する。また昼間には、定期的に警戒音を発することにより、風力発電設備に接近する希少猛禽類等への注意喚起を促すなど、衝突確率を低減させる環境保全措置を実施する。 ・既存道路等を可能な限り流用することで、改変面積を最小限にとどめる。 ・動物の生息環境を保全するため、改変区域外への必要以上の立ち入りを制限する。 ・可能な限り送電線を地中埋設することで、鳥類等の移動経路を確保する。 ・動物の生息環境の分断を低減するため、落下後の這い出しが難しいU字溝は使用しない。 これらの環境保全措置を講じることにより、造成等の施工による重要な種への一時的な影響、地形改変及び施設の存在、施設の稼働における重要な種への影響は、現時点において小さいものと考えられることから、実行可能な範囲内で低減が図られているものと評価する。 年間予測衝突数については、定量的に算出した結果、鳥類のブレード等への接触に係る影響は小さいものと予測するが、ブレード等への接触に係る予測には不確実性も伴っていると考えられるため、バードストライクの影響を確認するための事後調査を実施する。また、コウモリ類のブレード等への接近・接触に係る予測も不確実性を伴っていると考えられるため、バットストライクの影響を確認するための事後調査を実施する。その他、希少猛禽類への影響予測についても不確実性も伴っていると考えられるため、希少猛禽類への影響を確認するための事後調査を実施する。併せて、渡り鳥や希少猛禽類以外の重要な種等の生息・飛翔状況についても把握するための事後調査を実施する。 なお、これらの調査結果により著しい影響が生じると判断した際には、専門家の指導や助言を得て、忌避音等による保全対策の時期・時間帯等の変更や、追加の保全対策の検討など、必要に応じてさらなる効果的な環境保全措置を講じる。 評価結果の概要 表 10.4-6(2) 調査、予測及び評価結果の概要 類の繁殖状況への影響等を確認するための補足調査を実施する。 また、作業ヤードとしての造成範囲は、必要最小限にとどめる。 る。 利用するチュウヒ及び動物と接触する事故を未然に防ぐ。 する。トイレは、汲み取り式又は浄化槽の設置等により適切に処理する。 10.4-16 (1530)

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