幌延_評価書_10章1.9 環境影響評価の結果(専門家ヒアリング)
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概 要 事業者の対応 表 10.1.9-1(9) 専門家等からの意見の概要及び事業者の対応 専門分野 ヒアリング時期 動物(鳥類) 大学教員 2022年11月 ・一方,死骸調査の結果が,本アセス図書の考察や保全の検討には十分に利用されていない。たとえば,複数のミズナギドリ類や種不明のウミスズメが衝突死骸として発見されているが,これら海鳥類に対する今後の調査や保全への提言が皆無である。あるいは,周辺で繁殖していると考えられるノゴマも3個体が確認されている。これらの種は,実際にはさらに多くの個体が衝突していると考えられ,レッドリストの軽度懸念種であったとしても,今後の衝突可能性を考えると無視することはできないと思われる。 ・コミミズクなどもふくめて,少なくとも今回衝突が確認され,重要種や渡り鳥といった個別項目から抜けている種に対する影響への考え方については本図書に記載されるべきであり,今後の調査や保全措置に対しても追記が必要と考えられる。 ・オジロワシAペアは、2年間の現地調査で繁殖が確認されていない。このため1年間の事後調査だけで繁殖状況を把握し、影響評価を行うのは難しいと思われる。1年間の事後調査でオジロワシAペアの繁殖が確認できず、飛翔状況のみでは影響評価が難しいと考えられる場合には、追加調査が必要と考えられる。 ・オジロワシの繁殖状況に関する事後調査の開始時期については、判断して確認できる2月頃から開始すればよい。幼鳥が移動し,渡り個体が混じる晩秋までは,幼鳥の行動も含めて調査すること。 ・オジロワシについては、森林(営巣林)が改変されるのであれば影響があると思われるが、本事業ではあたらない。草本類の植生回復等については考慮しなくてもよいだろう。 ・チュウヒの繁殖状況については、工事終了後の翌4月以降、チュウヒの飛来時期から調査を行えばよいと考えるが,行動様式の定常化には工事の影響や植生の回復からのタイムラグがある可能性もあることから,2営巣期以上の追調査が望ましい。 ・チュウヒについては、採食地の利用状況や採食頻度だけでなく、繁殖状況についてもできるだけ確認し、繁殖経過や過去の状況と比較できるようにした方がよい。 ・渡り鳥についても調査を行うことが望ましい。渡り鳥の個体数や詳細な飛行経路は時期や天候等による変動が大きいことから、これらの点も考慮して評価を行うとよい。 海鳥類については、海岸に打ち上げられた死骸が、哺乳類等により風車周辺の草地に持ち込まれた可能性も考えられるため、評価書にその旨を追記した。 死骸調査で確認されたノゴマ等の渡り鳥については、死骸が確認されたことを踏まえて予測結果の内容を追記した。その上で、夜間に衝突が発生していることから、音声発生装置による環境保全措置の実施について記載した。 1年間の事後調査を実施後、影響評価が困難と考えられる場合には、必要に応じて追加調査について検討する。 希少猛禽類・渡り鳥調査については、工事終了後の2月から現地調査を開始し、1年間の調査を実施する。 1年間の事後調査を実施後、影響評価が困難と考えられる場合には、必要に応じて追加調査について検討する。 事後調査において、チュウヒの繁殖状況についても記録・確認することを評価書に追記した。 希少猛禽類調査時に渡り鳥も記録対象とすることとし、「希少猛禽類・渡り鳥調査」として実施する旨を評価書に追記した。 10.1.9-9 (1483)

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