幌延_評価書_10章1.9 環境影響評価の結果(専門家ヒアリング)
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概 要 事業者の対応 表 10.1.9-1(8) 専門家等からの意見の概要及び事業者の対応 実施するということについては了解した。 専門分野 ヒアリング時期 動物(鳥類) 大学教員 2022年11月 ・風車北端を南に200mずらすことで、オジロワシの衝突確率が減少し、営巣地からも1㎞以上の離隔がとれるという点については了解した。 ・一方,新設予定の風車2と3は,オジロワシの球体モデルでは年間衝突率が0.1を超えており(P1044),既存風車にはなかった高い衝突率となっている。これらの二本に対しては,別途,本種に対し有効で現実的な衝突回避対策を検討し,追記していただきたい。 ・実施区域内のブレード範囲を通過する飛翔個体は少ないとあるが, たとえば2020年10月では実施区域を通過した210個体中,半数以上の107 個体(多くはコハクチョウ)がブレード範囲を通過している。これを少ないと評価する根拠を追記すべき。また,P1079の衝突率はNo5のみで球体モデルで0.2近い,高い値となっている。これらを総合的に判断し,衝突リスクが低いと結論できる根拠を追記すべき。 ・定期的に警戒音を発することで,風車接近への注意喚起を促すとあるが,たとえばチュウヒは周辺で営巣し,風車付近でも採餌することがこの図書に記載されている。そのため,この措置は希少猛禽類を餌場から追い払うことにもなりかねず,周辺利用種や実施場所によっては適切な保全措置とはいえない可能性があり,注意が必要である。 【事後調査について】 ・死骸調査については、月2回から月3回に頻度を増やして ただし,本図書の死骸調査の結果に書かれているように,連続しない月3回の調査では,持ち去りや腐敗などによる消失率が高く,衝突個体の確認できる可能性は極めて低い。また,小型鳥類や科レベルでしか判定できないことが多い点からも,衝突種への影響の評価にも適した手法とはいえない。 そのため,稼働後の事後調査では,各種鳥類やコウモリ類への影響をできるだけ正確に把握するため,毎月3回の調査と共に,有効性認められた早朝からの5日間連続あるいはそれに準ずる調査を,少なくとも4シーズンそれぞれに実施し,その上で,死骸発見数から衝突数推定を行った上で影響を評価すべきと考える。 オジロワシ等の希少猛禽類に対しては、定期的に警戒音を発することにより注意喚起を即し、衝突確率を低減させる環境保全措置を実施する。また、風車が大型化することにより、衝突確率は不確実性を伴うことから、事後調査において実際の飛行高度や行動等を確認する。 御指摘の通り、高度Mの通過個体が少ないとの表記は適切ではないため、記載内容を修正する。 衝突確率については、風車が更新されることにより衝突確率は不確実性を伴うことから、事後調査において実際の飛行高度や行動等を確認する。 ご指摘をふまえて、風車の可動範囲を目安として照射範囲や音量等を調整するなど、周辺への影響軽減に十分に配慮して実施する。 事後調査における死骸調査の回数については、海ワシ類の風力発電施設バードストライク防止策の検討・実施手引き(改訂版)」(環境省,2022年8月)において各調査の調査努力量を同じくして比較することが望ましいとされていること、専門家のご意見及び経済産業省からのご指摘の経緯を踏まえ、準備書の事後調査計画(2回/月×12ヵ月)から月4回×12回の死骸調査に変更して実施することとしました。 10.1.9-8 (1482)

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