幌延_評価書_10章1.5(生態系)【公開版】_リンク削除
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存在・供用時/直接改変以外 v. まとめ ・樹林環境を採食場所とする「樹林性鳥類群集」については、好適採食地の改変割合は植生草本類指数で0.4%、地上徘徊性昆虫類の餌資源重量で0.9%、飛翔性昆虫類の餌資源量で1.1%と少ないことから、工作物の設置等の影響による「樹林性鳥類群集」への影響は小さく、好適採食地については大きな変化は生じないものと考えられる。 工事中/直接改変 ・空中を採食環境または繁殖行動に利用する鳥類については、衝突リスクが高いと推定されたヒバリ、オオジシギを対象として年間予測衝突数について予測を行ったが、いずれも衝突確率は低く、これらの種が風力発電機のブレードへ衝突する可能性は低いと予測される。 ・既設風力発電設備から500mの範囲は、風車の存在により影響を受け、「樹林性鳥類群集」、「草地性鳥類群集」で個体数が減少する傾向があり、直接改変以外の影響が生じていることが確認された。 ・直接改変により、草地環境を採食場所や繁殖場所とする「草地性鳥類群集」は影響を受けるものと想定される。 ・対象事業実施区域内における環境類型区分のうち、耕作地・二次草地の改変割合は18.5%、自然草地(湿性)は2.1%、自然草地(乾性)は3.3%であり、環境類型区分すべての改変割合は8.2%である。 ・改変割合の高い耕作地・二次草地については、元々土砂採取により改変された場所が遷移して成立した環境であり、既設風力発電設備跡地及び作業ヤードは、耕作地・二次草地に遷移していくと考えられることから、工作物の設置等による影響による「草地性鳥類群集」に大きな変化は生じないものと予測される。 ・草地環境を採食場所とする「草地性鳥類群集」については、好適採食地の改変割合は植生草本類指数で27.4%、地上徘徊性昆虫類の餌資源重量で26.8%、飛翔性昆虫類の餌資源重量で22.8%であり、工作物の設置等による影響が生じる可能性が想定された。 ・しかし改変個所のうち、既設風力発電設備跡地及び作業ヤードは好適採食地としてポテンシャルの高い耕作地・二次草地に遷移すると考えられることから、「草地性鳥類群集」への影響は小さく、好適採食地については大きな変化は生じないと予測される。 ・既設風力発電設備の直接改変以外の影響範囲(風車から500m)に対して、新設風力発電設備の影響範囲は24.2ha、8.2%減少する。環境類型区分別にみると、針葉樹林で影響範囲が増加し、それ以外の環境類型区分では減少する。 ・予測の結果、「樹林性鳥類群集」では個体数が16.7個体減少し、「草地性鳥類群集」は35.0個体増加すると予測された。これは調査地域に生息する推定個体数に対して、それぞれ2.1%の減少、2.9%の増加に相当する。 ・新設風力発電設備では直接改変以外の影響範囲が変化すると予測され、個体数の増減が予測されたが、増減の割合が小さいことから、「樹林性鳥類群集」、「草地性鳥類群集」への影響は小さく、大きな変化は生じないと予測される。 ・空中を採食環境または繁殖行動に利用する鳥類については、衝突リスクが高いと推定されたヒバリ、オオジシギを対象として年間予測衝突数について予測を行ったが、いずれも衝突確率は低く、さらに音声発生装置を用いた環境保全措置の実施により、衝突確率をより低減することから、これらの種が風力発電機のブレードへ衝突する可能性は低いと予測される。 表 10.1.5-54 生態系(典型性)の予測結果の概要 項目 影響内容 生息環境の変化に伴う鳥類群集への影響 好適採食地の分布状況と鳥類群集への影響 空中を採食環境または繁殖行動に利用する鳥類への影響 施設の稼働・供用に伴う鳥類群集への影響 生態系(典型性)の予測結果の概要について、表 10.1.5-54にとりまとめた。 以下の予測は、種毎の一般生態、現地調査結果に基づいていることから、年間予測衝突数以外については、不確実性は低いと考える。 予測結果の概要 10.1.5-116 (1336)

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