幌延_評価書_10章1.5(生態系)【公開版】_リンク削除
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<移動経路の遮断・阻害> 既設風力発電設備が稼働している状況下で実施した現地調査結果によると、風車を横切る飛翔の対地高度を確認してみたところ、10m以下の飛翔例が50%以上となっており、25m以下では89%である。実際に地面を見ながら探餌行動を行っている際の飛翔高度は、数m~10m以下と非常に低く、対地高度25m以上を横切る場合は、餌の捕獲に成功して営巣地に運ぶ場合や旋回上昇中、滑空などが多いことから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は小さいものと予測する。 本予測にあたっては、現地調査結果に基づき、飛翔ルート・高度を把握した予測であることから、予測結果についての不確実性は低いものと考える。 【各予測結果からの上位性の注目種(チュウヒ)への影響予測総括】 工事の実施や風力発電施設の存在により、チュウヒの好適採食地などの採食に適した環境は、一時的に影響を受けると予測される。しかし、既設風力発電設備の周辺でも特に回避することなく採食に利用していること、営巣適地は改変されないこと、好適採食地が周辺に広く残存すること、改変後の環境は狩り行動が多く確認された耕作地・二次草地に遷移すると予測されることから、上位性の注目種(チュウヒ)は事業地周辺を採食地として継続的に利用して、繁殖活動も継続すると予測される。また、年間予測衝突数は既設風力発電設備より新設風力発電設備でわずかに上昇するものの確率は低いこと、音声発生装置を用いた環境保全措置の実施により、衝突確率をより低減することから、チュウヒの各つがいが新設風力発電設備のブレードへ衝突する可能性は低いと予測する。 以上のことから、当該事業の実施による生態系上位性への影響は小さく、調査地域のチュウヒを指標とした生態系上位性には大きな変化は生じないと予測される。 10.1.5-104 (1324)

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