幌延_評価書_10章1.3 環境影響評価の結果(動物)【公開版】
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注: オジロワシ、オオワシの年間予測衝突数は、表 10.1.3-123、表 10.1.3-124参照。 表 10.1.3-145 渡り鳥の影響予測結果(猛禽類) 渡りが確認されたのは、ハチクマ、オジロワシ、オオワシ、ハイイロチュウヒ、ハイタカ、オオタカ、ノスリ、ケアシノスリの8種が確認された。特に春季に数多くの個体の渡りが確認された。対象事業実施区域及びその周辺を渡り時の移動経路として利用するものの、高度Mで飛翔した種はハチクマ、オジロワシ、オオワシ、の3種であった。 猛禽類の移動経路は、秋季は特に群れになることなく個別に飛翔しておりまばらだが、春季には海岸沿いから東側の樹林上空にかけた範囲が主要な飛翔ルートで、既設風力発電所上空を斜めに横切る飛翔も含めて、多くのオジロワシ、オオワシ等の渡りが確認されている。風車上空を横切る際には、旋回上昇ののち高空を移動していることが多く、主要なルートは対象事業実施区域より西側の海岸沿い及び樹林帯上空であると考えられる。新規風力発電設備は、既設風力発電設備より大型化するが、設置位置は既設風力発電設備と重なり、機数は28機から5機へと減少し、既設風力発電機より間隔が保たれている。構内配電線は既存道路沿いや新設される管理道においても極力地中埋設する。 以上のことから、猛禽類による渡り時の移動経路の遮断・阻害による影響は小さいものと予測する。 渡りが確認された8種は、対象事業実施区域及びその周辺を渡り時の移動経路として利用するものの、高度Mで飛翔した種はハチクマ、オジロワシ、オオワシのみであった。 猛禽類の移動経路は、秋季は特に群れになることなく個別に飛翔しておりまばらだが、春季には海岸沿いから東側の樹林上空にかけた範囲が主要な飛翔ルートで、既設風力発電所上空を斜めに横切る飛翔も含めて、多くのオジロワシ、オオワシ等の渡りが確認されている。風車上空を横切る際には、旋回上昇ののち高空を移動していることが多く、主要なルートは対象事業実施区域より西側の海岸沿い及び樹林帯上空であると考えられる。新規風力発電設備により改変される場所は、既設風力発電設備に隣接しており、面的な広がりのあるものではなく、新設風力発電機の配置及び風車ヤード部と管理道の連続した線状のものであり、構内配電線は既存道路沿いや新設される管理道においても極力地中埋設する。新規風力発電設備は、既設風力発電設備より大型化するが、設置位置は既設風力発電設備と重なり、機数は28機から5機へと減少し、既設風力発電機より間隔が保たれている。 既設風力発電施設の28箇所(15メッシュ)における、ハチクマ、オジロワシ、オオワシの年間予測衝突数は、ハチクマについては風車通過メッシュでの飛翔が確認されていないことから、オジロワシとオオワシについて示すと、環境省モデルが0.3493,0.0721個体/年、球体モデルが0.7878,0.1558個体/年である。新設風力発電設置箇所の5箇所(5メッシュ)における、オジロワシ、オオワシの年間予測衝突数は、5メッシュの合計値で、環境省モデルが0.1814,0.0221個体/年、球体モデルが0.5411,0.0622個体/年であり、既設風力発電設備より新設風力発電設備で、年間予測衝突数は減少するが、オジロワシでは年間予測衝突数は0.5411と高い。 なお、既設風力発電施設は2003年8月から稼働しており、18年間の稼働中にオジロワシの2例の衝突事例(2006年6月、2008年1月)が確認されている。予測衝突率によると、環境省モデルでは18年間で6.3個体、球体モデルで14.2個体が衝突する予測となっているが、実際にはその1/3以下の衝突しか確認されていない。また実際に現地調査において観察された飛翔例では、既設風車を認識して避けている行動等も確認されており、本地域では地形条件等により、衝突予測のパラメータとして用いた98%より高い回避率となっている可能性が考えられる。 また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の搬入路に限定され、新設風力発電機は既設風力発電機より間隔が保たれており、本種が迂回可能な空間が確保されている。さらに、音声発生装置を用いた環境保全措置の実施により、衝突確率はより低減できると考えられる。 以上のことから、オジロワシを含めた渡り途中の猛禽類が風力発電機のブレードへ衝突する可能性は低いと予測する。 移動経路の遮断・阻害 ブレード・タワー等への接近・接触 影響予測 10.1.3-585 (1083)

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