幌延_評価書_10章1.3 環境影響評価の結果(動物)【公開版】
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表 10.1.3-139 重要な種の影響予測結果(ツメナガセキレイ) 本種の主な生息環境は草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性)、自然草地(乾性))であり、事業の実施により本種の生息環境の一部が改変される可能性が考えられる。しかしながら、本種の主な生息環境となる草地環境のうち、耕作地・二次草地の改変割合は18.5%、自然草地(湿性)の改変割合は2.1%、自然草地(乾性)の改変割合は3.3%と小さい。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の輸送路に限定される。 以上のことから、改変による生息環境の減少・消失に係る影響は小さいものと予測する。さらに地形や既存道路等を十分考慮し、改変面積を最小限に留める等の環境保全措置の実施により、影響は低減できるものと予測する。 本種の主要な移動経路は草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性)、自然草地(乾性))の上空であることから、繁殖行動及び採食行動に係る移動経路の一部が阻害される可能性が考えられる。しかしながら、改変区域は風力発電機の設置近傍及び既設道路周辺に限定されることから、本種が迂回するための空間は確保される。 以上のことから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は小さいものと予測する。 本種の主な生息環境のうち草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性)、自然草地(乾性))は改変区域に含まれることから、工事の実施に伴う騒音により、改変区域周辺に生息している個体の逃避等の影響が考えられる。しかしながら、工事に伴う騒音は一時的なものである。 以上のことから、影響は小さいものと予測する。さらに、環境保全措置として、工事中は可能な限り低騒音型の建設機械を使用することにより、影響は低減できるものと予測する。 本種の主な生息環境である草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性)、自然草地(乾性))は、改変区域が含まれることから、工事の実施に伴い工事関係車両との接触による影響が考えられる。しかしながら、工事に伴う車両の通行は一時的なものである。 以上のことから、影響は小さいものと予測する。さらに、環境保全措置として、対象事業実施区域内の搬入路及び工事用道路を工事関係車両が通行する際は、十分に減速し、本種が接触する事故を未然に防止することにより、影響は低減できるものと予測する。 本種の主な生息環境のうち草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性))はブレード・タワー等への接近・接触の可能性が考えられる。しかしながら、既設風力発電施設の28箇所(15メッシュ)及び新設風力発電設置箇所の5箇所(5メッシュ)において、現地調査では高度Mの飛翔は確認されなかった。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の搬入路に限定され、新設風力発電機は既設風力発電機より間隔が保たれており、本種が迂回可能な空間が確保されている。 以上のことから、本種が風力発電機のブレードへ衝突する可能性は低いと予測する。 全北区。ユーラシア大陸の中・高緯度地方、北アメリカ大陸の北西部のアラスカの西海岸地域で繁殖し、冬はアフリカからインド、東南アジア、ニューギニア島に渡ってすごす。日本では、北海道北部(サロベツ原野、稚内市郊外、ベニヤ原生花園など)で繁殖する。一方、本州の関東地方以南、四国、九州、沖縄県方面には旅鳥または冬鳥として訪れるものがあるが、個体数は多くない。本種は地方的な変異が野外観察でもよくわかるほどはっきりしていて、西日本に渡ってきて越冬するものは北海道のものとはちがう別の亜種であること多い。北海道で繁殖するキマユツメナガセキレイ(M.f.simillima)はカムチャツカ半島から千島列島の亜種、キタツメナガセキレイ(M.f.macronyx)はウスリーから中国北東部の亜種、シベリアツメナガセキレイ(M.f.plexa)はシベリア中部の亜種である。 【参考文献】 「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」(1995年、中村登流・中村雅彦、保育社) 本種は現地調査において、鳥類調査、猛禽類調査時に確認された。 本種は合計63回確認され、対象事業実施区域内で11回、対象事業実施区域外で12回、調査地域外で40回確認された。 改変による生息環境の減少・消失 移動経路の遮断・阻害 騒音による生息環境の悪化 工事関係車両への接触 ブレード・タワー等への接近・接触 分布・生態学的特徴 確認状況 影響予測 10.1.3-578 (1076)

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