幌延_評価書_10章1.3 環境影響評価の結果(動物)【公開版】
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当該ページには非公開情報が含まれる。 表 10.1.3-125(1) 重要な種の影響予測結果(チュウヒ) 本種の主な生息環境は草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性)、自然草地(乾性))であり、事業の実施により本種の生息環境の一部が改変される可能性が考えられる。しかしながら、本種の主な生息環境となる草地環境のうち、耕作地・二次草地の改変割合は3.2%、自然草地(湿性)の改変割合は0.2%、自然草地(乾性)の改変割合は1.6%と小さい。 対象事業実施区域及びその周辺で確認されたチュウヒのつがいのうち、対象事業実施区域付近に飛来して探餌行動を行っていた7つがい(FKペア、WEペア、T2ペア、T1ペア、 OMペア、OSペア、WHペア)について、行動圏の内部構造(高利用域及び営巣中心域)を解析した結果、T2ペアを除く6ペアの高利用域が対象事業実施区域と重複していた(図 10.1.3-278~図 10.1.3-284)。しかしながら、高利用域の改変割合は各つがいとも1.1%~4.7%であり、営巣中心域は改変されない。しかし、改変区域の環境は土砂等の採取で改変された後に放置された二次草地が多く、新設風力発電設備の設置箇所や管理用道路以外の工事用道路や作業ヤードについては、改変前と同様に二次草地に遷移すると考えられる。また、既設風力発電設備や管理用道路が存在している状態で、チュウヒは対象事業実施区域及びその周辺を、それらを特に回避することなく採食環境として利用していることが確認されている。以上のことから、改変による本つがいの行動圏の内部構造の減少・消失への影響は小さいものと予測する。 本種の営巣環境は、00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000このような環境は、対象事業実施区域周辺には確認されていない。 なお、本種の営巣場所は12箇所(推定を含む)以上確認されており、うち4箇所は猛禽類調査の調査地域内にある。最も近い営巣場所は対象事業実施区域から0000(WAペア)離れており、改変されない。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の輸送路に限定される。 また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の輸送路に限定される。 以上のことから、改変による生息環境の減少・消失に係る影響は小さいものと予測する。さらに地形や既存道路等を十分考慮し、改変面積を最小限に留める等の環境保全措置の実施により、影響は低減できるものと予測する。 本種の主要な移動経路は草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性)、自然草地(乾性))及びその上空であることから、繁殖行動及び採食行動に係る移動経路の一部が阻害される可能性が考えられる。しかしながら、現地調査において、採食環境としてよく利用される既設風力発電設備周辺の耕作地・二次草地、自然草地(湿性)、自然草地(乾性)については、風車と風車の間を低く横切りながら探餌飛翔を行っている例が確認されており、本種は既設風力発電設備を忌避している様子は確認されていない。また、改変区域は風力発電機の設置近傍及び既設道路周辺に限定されることから、本種が迂回するための空間は確保される。 以上のことから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は小さいものと予測する。 本種の主な生息環境のうち草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性)、自然草地(乾性))は改変区域に含まれることから、工事の実施に伴う騒音により、改変区域周辺に生息している個体の逃避等の影響が考えられる。しかしながら、工事に伴う騒音は一時的なものである。 バイカル湖周辺、モンゴルから東、アムール川流域、中国東北部、日本にかけて繁殖する。日本では北海道、東北、中部地方を中心に繁殖している。日本から南、東南アジアにかけて越冬する。 主にヨシ原で繁殖し、ヨシ原の広がる湖、河川(下流)、潟、埋立地等に生息する。餌は、小型哺乳類、鳥類を中心に、両生類、爬虫類、魚類を食する。 【参考文献】 「レッドデータブック2014-日本の絶滅のおそれのある野生動物-2 鳥類」(2014年、環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室) 本種は現地調査において、鳥類調査、猛禽類調査時に確認された。 本種は合計975回確認され、そのうち対象事業実施区域内で138回、対象事業実施区域外で116回、調査地域外で721回確認された。 改変による生息環境の減少・消失 移動経路の遮断・阻害 騒音による生息環境の悪化 分布・生態学的特徴 確認状況 影響予測 10.1.3-553 (1051)

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