幌延_評価書_6章 方法書についての意見と事業者の見解
10/26

予測に不確実性を伴うことを理由に、環境保全措置を検討しなくてよいとは考えておりません。供用後においても事後調査等の結果を踏まえ、必要に応じて専門家の助言や指導を仰ぎ、環境保全措置の追加や見直しを検討する必要があると認識しています。 意見 29 30 31 32 ■11.「事後調査」の定義について2 念のために確認しておく。発電所アセス省令によれば、「事後調査」は「環境保全措置」ではないが、事業者らは理解しているか。 ■12.「予測の不確実性」を根拠に保全措置を実施しないのは、発電所アセス省令に反する行為で「不適切」 国内の風力発電機施設において、バットストライクが多数生じ、コウモリ類へ悪影響が生じている。しかし国内の風発事業者の中に「予測に不確実性が伴うこと」を根拠に、適切な保全措置を実施(検討さえ)しない事業者が散見される。 「予測に不確実性を伴う」としても、それは「保全措置を検討しなくてよい」根拠にはならない。なぜならアセス省令によれば、「影響がない」及び「影響が極めて小さい」と判断される以外は環境保全措置を検討すること、になっているからだ。 ■13.「予測の不確実性」を根拠に保全措置を実施しないのは「不適切」2 国内の風力発電機施設において、バットストライクが多数生じ、コウモリ類へ悪影響が生じている。しかし国内の風発事業者の中に「影響の程度(死亡する数)が確実に予測できない」ことを根拠に、適切な保全措置を実施(検討さえ)せず、事後調査に保全措置を先送りする事業者が散見される。 定性的予測であれば、国内外の風力発電施設においてバットストライクが多数発生しており、『コウモリ類への影響はない』『コウモリ類への影響は極めて小さい』とは言い切れない。アセス省令による「環境保全措置を検討する」段階にすでに入っている。 よって、本事業者らの課題は、「死亡するコウモリの数」を「いかに不確実性を伴わずに正確に予測するか」ではなく、「いかにコウモリ類への影響を回避・低減するか」である。そのための調査を「準備書までに」実施して頂きたい。 ■14.「回避」と「低減」の言葉の定義について1 「影響の回避」と「影響の低減」についての定義を述べよ。 一般の意見 事後調査については、「発電所に係る環境影響評価の手引」(経済産業省、平成31年)に記載されているとおり、予測の不確実性の程度が大きい選定項目について環境保全措置を講ずる場合等において、その環境影響評価において予測の不確実性を補う等の観点から位置づけられているものと理解しています。 「8.2.2 調査、予測及び評価の手法」に記載した手法により調査を実施し、「10.1.3 動物」に記載した調査、予測及び評価結果並びに「10.1.9 専門家へのヒアリング」で得られた専門家の助言も踏まえて、影響は小さいと予測しました。 しかしながら、この予測には不確実性が伴うため、その結果を踏まえ、必要に応じて専門家の助言や指導を仰ぎ、環境保全措置を検討いたします。 回避及び低減については、「環境アセスメント技術ガイド 生物の多様性・自然との触れ合い」(日本環境アセスメント協会、平成29年)に記載されているとおり、以下のように考えています。 回避:行為(環境影響要因となる事業における行為)の全体又は一部を実行しないことによって影響を回避する(発生させない)こと。重大な影響が予測される環境要素から影響要因を遠ざけることによって影響を発生させないことも回避といえる。 低減:何らかの手段で影響要因又は影響の発現を最小限に抑えること、又は、発現した影響を何らかの手段で修復する措置。 事業者の見解 6-10 (264)

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る