(b) 地域の生態系の概要 対象事業実施区域及びその周辺の生態系は、海岸沿いにはハマナス群落及びハマニンニク-コウボウムギ群集等の海岸性の草地や灌木が広がり、対象事業実施区域内は、砂の採取のために掘り取られて低くなっており、そこに路傍・空地雑草群落やササ群落、ヨシクラス等の草地や灌木が、海岸線に沿って帯状に広がっている。東側には樹高の低いミズナラ群落(海岸風衝型)を経て、アカエゾマツ群集、エゾマツ-トドマツ群集などの針葉樹高木林がパッチ上に広がっており、さらにその東側にヤマドリゼンマイ-トマリスゲ群落ヨシ等の湿地性植生が広がっている。サロベツ川やオンネベツ川などの支川が蛇行して流れている平地の一部は、牧草地として開墾されている。 また、「10.1.3動物」及び「10.1.4植物」の調査結果及び地形から区分した動植物の現地調査地域の環境類型区分は、図 10.1.5-1に示すとおりである。また、環境類型区分ごとの群落名等は表 10.1.5-5、生物群集断面模式図は図 10.1.5-2、想定される生態系模式図は図 10.1.5-3に示すとおりである。 対象事業実施区域及びその周辺には、二次林及び人工林を主とした樹林環境と、草地、耕作地及び住宅地等が含まれる陸域の生態系が成立しているものと考えられる。 この生態系では、木本や草本を生産者とし、チョウ類、ガ類、バッタ類等の植食性の昆虫や、ノウサギ、エゾシカ等の草食性の哺乳類等が第一次消費者、トンボ類等の肉食性昆虫類や、ニホンアマガエル等の両生類、コモチカナヘビ等の爬虫類等が第二次消費者、これらを捕食する、カラス類等の中間消費者、さらにこれらを捕食するキタキツネ、エゾクロテン等の中型肉食哺乳類や、チュウヒ、ハイタカ等の猛禽類が最上位の捕食者として生態系を構成している。 10.1.5-5 (1185)
元のページ ../index.html#5