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本予測にあたっては、現地調査結果に基づき計算を行っているが、ブレード等への接触に係る予測には不確実性が伴うことから、予測結果については不確実性が伴うものと考えられる。 ○新たに出現する生息地の影響の推定(存在・供用時/直接改変以外) <回避の有無> チュウヒの高利用域は、既設風力発電設備及び事業実施区域と重なっており、各つがいの高利用域の一部が縮小する可能性があるものの、既設風力発電設備や管理用道路が存在している状態で、チュウヒは対象事業実施区域及びその周辺を、それらを特に回避することなく採食環境として利用していることが確認されていることから、新設風力発電設備周辺を採食環境として継続して利用すると予測する。 本予測にあたっては、本種の一般生態及び既設風力発電設備が稼働している状況下で実施した現地調査結果に基づいていることから、予測結果についての不確実性は低いものと考える。 <移動経路の遮断・阻害> 既設風力発電設備が稼働している状況下で実施した現地調査結果によると、風車を横切る飛翔の対地高度を確認してみたところ、10m以下の飛翔例が50%以上となっており、25m以下では89%である。実際に地面を見ながら探餌行動を行っている際の飛翔高度は、数m~10m以下と非常に低く、それよりも高い位置を飛翔する場合は、餌の捕獲に成功して営巣地に運ぶ場合などが多いことから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は小さいものと予測する。 本予測にあたっては、現地調査結果に基づき、飛翔ルート・高度を把握した予測であることから、予測結果についての不確実性は低いものと考える。 【各予測結果からの上位性の注目種(チュウヒ)への影響予測総括】 工事の実施や風力発電施設の存在により、チュウヒの好適採食地などの採食に適した環境は、一時的に影響を受けると予測される。しかし、既設風力発電設備の周辺でも特に回避することなく採食に利用していること、年間予測衝突数は既設風力発電設備より新設風力発電設備でわずかに上昇するものの確率は低いこと、営巣適地は改変されないこと、好適採食地が周辺に広く残存すること、改変後の環境は狩り行動が多く確認された耕作地・二次草地に遷移すると予測されることから、上位性の注目種(チュウヒ)は事業地周辺で繁殖活動を継続すると予測される。 以上のことから、当該事業の実施による生態系上位性への影響は小さく、調査地域のチュウヒを指標とした生態系上位性には大きな変化は生じないと予測される。 10.1.5-103 (1283)

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