表 10.1.3-142(1) 渡り鳥の影響予測結果(スズメ目鳥類ほか) 対象事業実施区域内を渡り時の移動経路として利用した鳥類49種のうち、対象事業実施区域内を高度Mで飛翔した種は、ガン類、ハクチョウ類、カモメ類、猛禽類以外では、オナガガモ、スズガモ属の一種、カモ科の一種、アオバト、アマツバメ、アオアシシギ、ヒレアシシギ属の一種、ミヤマガラス、ハシブトガラス、ヒガラ、ヒバリ、ショウドウツバメ、エナガ、メジロ、レンジャク科の一種、ハクセキレイ、ビンズイ、タヒバリ、アトリ、カワラヒワ、ベニヒワの19種であった。 このうち、カモ類については、主に海岸に沿って移動しており、稀に風車付近を湿地方面に横切る飛翔が確認された。個体数が多かったヒガラの移動経路は、既設風力発電所の東側の樹林帯上空であり、特に個体数が多く確認された2019年秋季には、海岸線のハマナス群落上も移動している群れが確認された。それ以外の時期では、樹林上空を低く飛翔し、樹林内を移動している群れも多く確認され、既設風力発電設備周辺の草地上はあまり利用されていなかった。その他のスズメ目鳥類については、概ねヒガラと同様に、樹林地に沿って飛翔する個体が多く確認された。スズメ目鳥類等の主要なルートは、海岸沿い及び東側に隣接する樹林帯であると考えられる。なお、調査地域には、渡り鳥が迂回するための空間も確保されている。新規風力発電設備は、既設風力発電設備より大型化するが、設置位置は既設風力発電設備と重なり、機数は28機から5機へと減少し、既設風力発電機より間隔が保たれている。構内配電線は既存道路沿いや新設される管理道においても極力地中埋設する。 以上のことから、小鳥類による渡り時の移動経路の遮断・阻害による影響は小さいものと予測する。 対象事業実施区域内を渡り時の移動経路として利用した鳥類49種のうち、対象事業実施区域内を高度Mで飛翔した種は、ガン類、ハクチョウ類、カモメ類、猛禽類以外では、オナガガモ、スズガモ属の一種、カモ科の一種、アオバト、アマツバメ、アオアシシギ、ヒレアシシギ属の一種、ミヤマガラス、ハシブトガラス、ヒガラ、ヒバリ、ショウドウツバメ、エナガ、メジロ、レンジャク科の一種、ハクセキレイ、ビンズイ、タヒバリ、アトリ、カワラヒワ、ベニヒワの21種であった。 新規風力発電設備により改変される場所は、既設風力発電設備に隣接しており、面的な広がりのあるものではなく、新設風力発電機の配置及び風車ヤード部と管理道の連続した線状のものであり、構内配電線は既存道路沿いや新設される管理道においても極力地中埋設する。新規風力発電設備は、既設風力発電設備より大型化するが、設置位置は既設風力発電設備と重なり、機数は28機から5機へと減少し、既設風力発電機より間隔が保たれている。 対象事業実施区域付近を通過した21種のうち、既設又は新設風力発電設備のあるメッシュを高度Mで通過する種は、アマツバメ、ミヤマガラス、ハシブトガラス、ヒガラ、ヒバリ、ショウドウツバメ、エナガ、ハクセキレイ、ビンズイ、タヒバリ、アトリ、カワラヒワ、ベニヒワの13種であった。それぞれについて、年間予測衝突数を算出した。 その結果、ミヤマガラス、ヒバリ、タヒバリでは、年間予測衝突数は既設風力発電設備より新設風力発電設備で減少するが、アマツバメ、ハシブトガラス、ショウドウツバメ、エナガ、ハクセキレイ、ビンズイ、アトリ、カワラヒワ、ベニヒワの9種では、年間予想衝突数は増加した。 ヒガラの年間予測衝突数は、球体モデルで6.8個体/年と他種に比べて高い値となったが、ヒガラの通過個体数は、2年間の春秋の渡り時期で述べ154,712個体確認されており、通過個体数に対する年間予測衝突数は、1年間当りに換算した場合には0.01%未満に相当する。その他、年間予測衝突数が増加した8種については、球体モデルで0.0002~0.0499個体と衝突確率は少なく、年間通過個体数に対していずれも約0.1%未満であることから、影響は小さいと予測される。 以上のことから、スズメ目鳥類等では、一部で年間予測衝突数が増加する種があるが、通過個体数に対する割合は非常に小さく、風力発電機のブレードへ衝突する可能性はあるものの、影響は小さいと予測する。 移動経路の遮断・阻害 ブレード・タワー等への接近・接触 影響予測 10.1.3-556 (1052)
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