10-1-3-jyunbisyo
546/632

表 10.1.3-133 重要な種の影響予測結果(オオムシクイ) 本種の主な生息環境は樹林環境(針葉樹林、広葉樹林)であり、事業の実施により生息環境の一部が改変される可能性が考えられる。しかしながら、本種の主な生息環境である樹林環境のうち、針葉樹林の改変割合は0%、広葉樹林の改変割合は0.1%と小さい。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の輸送路に限定される。 以上のことから、改変による生息環境の減少・消失に係る影響は小さいものと予測する。さらに地形や既存道路等を十分考慮し、改変面積を最小限に留める等の環境保全措置の実施により、影響は低減できるものと予測する。 本種の主要な移動経路は樹林内及びその上空であることから、採食行動に係る移動経路の一部が阻害される可能性が考えられる。しかしながら、改変区域は風力発電機の設置近傍及び既設道路周辺に限定されることから、本種が迂回するための空間は確保される。 以上のことから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は小さいものと予測する。 本種の主な生息環境である樹林環境(針葉樹林、広葉樹林)は、改変区域が含まれることから、工事の実施に伴う騒音により、改変区域周辺に生息している個体の逃避等の影響が考えられる。しかしながら、工事に伴う騒音は一時的なものである。 以上のことから、影響は小さいものと予測する。さらに、環境保全措置として、工事中は可能な限り低騒音型の建設機械を使用することにより、影響は低減できるものと予測する。 近縁種のメボソムシクイは、ユーラシア大陸の高緯度地方のタイガベルト地帯で繁殖し、東南アジアに渡って冬を越す。日本では北海道、本州、四国に夏鳥として渡来して繁殖する。繁殖地は亜高山帯針葉樹林や森林限界のダケカンバ林、日本海側ではブナ帯の上部で見られる。渡り期には低地や低山帯のマツ林や雑木林などで見られ、5~6月の渡りのときには盛んにさえずる。 オオムシクイは、夏鳥として北海道知床半島やサハリン、カムチャツカで繁殖するが、それ以外の地域では春秋に通過する旅鳥。 【参考文献】 「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」(1995年、中村登流・中村雅彦、保育社) 本種は現地調査において、鳥類調査時に確認された。 本種は対象事業実施区域内で1回確認された。 改変による生息環境の減少・消失 移動経路の遮断・阻害 騒音による生息環境の悪化 分布・生態学的特徴 確認状況 影響予測 10.1.3-546 (1042)

元のページ  ../index.html#546

このブックを見る