表 10.1.3-129(1) 重要な種の影響予測結果(ハヤブサ) 本種の主な生息環境は樹林環境(針葉樹林、広葉樹林)、草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性))及び水域上空であり、事業の実施により生息環境の一部が改変される可能性が考えられる。しかしながら、本種の主な生息環境である樹林環境のうち、針葉樹林は改変されず、広葉樹林の改変割合は0.03%と小さく、草地環境のうち、耕作地・二次草地の改変割合は3.2%、自然草地(湿性)の改変割合は0.2%と小さく、水域は改変されない。また、本種の営巣環境となる崖地は、対象事業実施区域及び調査地域周辺には存在しない。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の輸送路に限定される。 以上のことから、改変による生息環境の減少・消失に係る影響は小さいものと予測する。さらに地形や既存道路等を十分考慮し、改変面積を最小限に留める等の環境保全措置の実施により、影響は低減できるものと予測する。 本種の主要な移動経路は樹林環境、草地環境及びその上空であることから、採食行動に係る移動経路の一部が阻害される可能性が考えられる。しかしながら、改変区域は風力発電機の設置近傍及び既設道路周辺に限定されることから、本種が迂回するための空間は確保される。 以上のことから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は小さいものと予測する。 本種の主な生息環境である樹林環境(針葉樹林、広葉樹林)及び草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性))は、改変区域が含まれることから、工事の実施に伴う騒音により、改変区域周辺に生息している個体の逃避等の影響が考えられる。しかしながら、工事に伴う騒音は一時的なものである。 以上のことから、影響は小さいものと予測する。さらに、環境保全措置として、工事中は可能な限り低騒音型の建設機械を使用することにより、影響は低減できるものと予測する。 本種の主な生息環境である樹林環境(針葉樹林、広葉樹林)及び草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性))は、改変区域が含まれることから、ブレード・タワー等への接近・接触の可能性が考えられる。しかしながら、既設風力発電施設の28箇所(15メッシュ)における、本種の年間予測衝突数は、環境省モデルが0.0004個体/年、球体モデルが0.0018個体/年である。新設風力発電設置箇所の5箇所(5メッシュ)における、本種の年間予測衝突数は、5メッシュの合計値で、環境省モデルが0.0006個体/年、球体モデルが0.0029個体/年であり、環境省モデル、球体モデルの予測結果とも、新設風力発電設置箇所でわずかに増加するが、いずれも低い値である。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の搬入路に限定され、新設風力発電機は既設風力発電機より間隔が保たれており、本種が迂回可能な空間が確保されている。 以上のことから、本種が風力発電機のブレードへ衝突する可能性は低いと予測する。 北海道から九州まで留鳥として分布するほか、ロシア極東、朝鮮半島、中国南東部にかけて分布する。 主に海岸や河川地域などの開けた環境にある断崖や岩場に生息するが、冬期には越冬個体などが中・小型の鳥類が集まる河口や河川流域、湖沼付近を狩場として高頻度で利用する。中・小型の鳥類を空中で捕食する。 【参考文献】 「レッドデータブック2014-日本の絶滅のおそれのある野生動物-2 鳥類」(2014年、環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室) 11回確認された。 改変による生息環境の減少・消失 移動経路の遮断・阻害 騒音による生息環境の悪化 ブレード・タワー等への接近・接触 分布・生態学的特徴 確認状況 本種は現地調査において、猛禽類調査時に確認された。 本種は合計26回確認され、対象事業実施区域内で5回、対象事業実施区域外で10回、調査地域外で影響予測 10.1.3-541 (1037)
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