10-1-3-jyunbisyo
538/632

表 10.1.3-126 重要な種の影響予測結果(ヤマセミ) 本種の主な生息環境は水域であり、事業の実施により本種の生息環境の一部が改変される可能性が考えられる。しかしながら、本種の主な生息環境となる水域は改変されない。また、本種の営巣場所は崖地だが、対象事業実施区域及びその周辺には、営巣可能な地形等は存在しない。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の輸送路に限定される。 以上のことから、改変による生息環境の減少・消失に係る影響は小さいものと予測する。さらに地形や既存道路等を十分考慮し、改変面積を最小限に留める等の環境保全措置の実施により、影響は低減できるものと予測する。 本種の主要な移動経路は水域の上空であることから、繁殖行動及び採食行動に係る移動経路の一部が阻害される可能性が考えられる。しかしながら、改変区域は風力発電機の設置近傍及び既設道路周辺に限定されることから、本種が迂回するための空間は確保される。 以上のことから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は小さいものと予測する。 本種の主な生息環境である水域は改変区域に含まれないことから、工事の実施に伴う騒音により、改変区域周辺に生息している個体の逃避等の影響は想定されない。さらに、工事に伴う騒音は一時的なものである。 以上のことから、影響は小さいものと予測する。さらに、環境保全措置として、工事中は可能な限り低騒音型の建設機械を使用することにより、影響は低減できるものと予測する。 旧北区、東洋区。カシミール、アッサム、ビルマ、インドシナ半島、中国南部、朝鮮半島、日本に分布する。北海道から九州の各地で留鳥、あるいは漂鳥として生息する。 山地の渓流や湖沼に生息する。河川では上流部の渓谷にすみ、中流以下はまれである。土質の崖に横穴を掘って営巣する。カワセミが川から500m以内の崖地に巣穴をつくるのに対して、ヤマセミは1km以上離れた崖もよく利用する(西村, 1979)。高さ3m以上、傾斜度が70度以上の急斜面の崖に営巣することが多い(神保, 1992)。カワセミと同様、近年は個体数が減少しているが、その-方で平野部での繁殖、中・下流域での採餌が見られるようになり、生息域の拡大が注目される。 【参考文献】 「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」(1995年、中村登流・中村雅彦、保育社) 改変による生息環境の減少・消失 移動経路の遮断・阻害 騒音による生息環境の悪化 分布・生態学的特徴 確認状況 本種は現地調査において、猛禽類調査時に確認された。 本種は調査地域外で1回確認され、対象事業実施区域内では確認されなかった。 影響予測 10.1.3-538 (1034)

元のページ  ../index.html#538

このブックを見る