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表 10.1.3-124 重要な種の影響予測結果(オオタカ) 本種の主な生息環境は樹林環境(針葉樹林、広葉樹林)及び草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性))であり、事業の実施により生息環境の一部が改変される可能性が考えられる。しかしながら、本種の主な生息環境である樹林環境のうち、針葉樹林は改変されず、広葉樹林の改変割合は0.03%と小さく、草地環境のうち、耕作地・二次草地の改変割合は3.2%、自然草地(湿性)の改変割合は0.2%と小さい。また、本種の営巣環境となる樹林環境のうち、針葉樹林の改変はなく、本種の営巣場所は予測地域では確認されていない。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の輸送路に限定される。 以上のことから、改変による生息環境の減少・消失に係る影響は小さいものと予測する。さらに地形や既存道路等を十分考慮し、改変面積を最小限に留める等の環境保全措置の実施により、影響は低減できるものと予測する。 本種の主要な移動経路は樹林環境、草地環境及びその上空であることから、繁殖行動や採食行動に係る移動経路の一部が阻害される可能性が考えられる。しかしながら、改変区域は風力発電機の設置近傍及び既設道路周辺に限定されることから、本種が迂回するための空間は確保される。 以上のことから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は小さいものと予測する。 本種の主な生息環境である樹林環境(針葉樹林、広葉樹林)及び草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性))は、改変区域が含まれることから、工事の実施に伴う騒音により、改変区域周辺に生息している個体の逃避等の影響が考えられる。しかしながら、工事に伴う騒音は一時的なものである。 以上のことから、影響は小さいものと予測する。さらに、環境保全措置として、工事中は可能な限り低騒音型の建設機械を使用することにより、影響は低減できるものと予測する。 本種の主な餌資源である小型鳥類については、工事に伴う騒音により、改変区域に生息している個体の一時的な逃避等の影響が考えられる。しかしながら、工事に伴う騒音は一時的なものである。 以上のことから、影響は小さいものと予測する。さらに、環境保全措置として、工事中は可能な限り低騒音型の建設機械を使用することにより、影響は低減できるものと予測する。 本種の主な生息環境である樹林環境(針葉樹林、広葉樹林)及び草地環境(耕作地・二次草地、自然草地(湿性))は、改変区域が含まれることから、ブレード・タワー等への接近・接触の可能性が考えられる。しかしながら、既設風力発電施設の28箇所(15メッシュ)及び新設風力発電設置箇所の5箇所(5メッシュ)において、現地調査では高度Mの飛翔は確認されなかった。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の搬入路に限定され、新設風力発電機は既設風力発電機より間隔が保たれており、本種が迂回可能な空間が確保されている。 以上のことから、本種が風力発電機のブレードへ衝突する可能性は低いと予測する。 種オオタカはユーラシア大陸と北アメリカ大陸の北部に広く分布する。亜種オオタカは、日本では留鳥または漂鳥として北海道から九州で繁殖する。低地から山地の森林に広く生息するが、主な生息地は水田や畑と森林が混在する低地から丘陵地である。中には、小規模な林や都市公園内の緑地で繁殖するものもいる。 【参考文献】 「レッドデータブック2014-日本の絶滅のおそれのある野生動物-2 鳥類」(2014年、環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室) 回確認された。 改変による生息環境の減少・消失 移動経路の遮断・阻害 騒音による生息環境の悪化 騒音による餌資源の減少 ブレード・タワー等への接近・接触 分布・生態学的特徴 確認状況 本種は現地調査において、猛禽類調査時に確認された。 本種は合計16回確認され、対象事業実施区域内で1回、対象事業実施区域外で6回、調査地域外で9影響予測 10.1.3-536 (1032)

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