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156 ブレード・タワー等への接近・接触 表 10.1.3-121(2) 重要な種の影響予測結果(既設:年間予測衝突数:チュウヒ) に減速し、本種が接触する事故を未然に防止することにより、影響は低減できるものと予測する。 本種は調査地域周辺で繁殖し、繁殖期には対象事業実施区域を含む調査地域内の草地環境を採食場所として利用しており、繁殖時期においてはブレード・タワー等への接近・接触の可能性が考えられる。しかしながら、既設風力発電施設の28箇所(15メッシュ)における、本種の年間予測衝突数は、環境省モデルが0.027個体/年、球体モデルが0.0628個体/年である。新設風力発電設置箇所の5箇所(5メッシュ)における、本種の年間予測衝突数は、5メッシュの合計値で、環境省モデルが0.0204個体/年、球体モデルが0.0651個体/年であり、環境省モデルでは、既設風力発電設備より新設風力発電設備で、年間予測衝突数は減少するものの、球体モデルではわずかに上昇すると予測された。これは既設風力発電設備のローター下端が48.75mなのに対し、新設風力発電設備では25.5mとなることが影響していると考えられる。 しかしながら、風車を横切る飛翔の対地高度を確認してみたところ、10m以下の飛翔例が50%以上となっており、25m以下では89%である。実際に地面を見ながら探餌行動を行っている際の飛翔高度は、数m~10m以下と非常に低く、それよりも高い位置を飛翔する場合は、餌の捕獲に成功して営巣地に運ぶ場合等が多い。また、実際にチュウヒが風力発電設備に衝突した事例の報告は、国内ではこれまでにない。 また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の搬入路に限定され、新設風力発電機は既設風力発電機より間隔が保たれており、本種が迂回可能な空間が確保されている。 以上のことから、本種が風力発電機のブレードへ衝突する可能性は低いと予測する。 風車番号環境省モデル(個体/年)0.00122-40.00157-89-11120.0004130.001014-150.001816-180.002419-200.002821-220.002023-240.005225-270.0075280.0012合計0.0270球体モデル(個体/年)0.00290.00350.00080.00230.00420.00540.00680.00460.01220.01740.00270.0628高度Mを含む総飛翔距離(m)4495431383643212765233709489044295,26510.1.3-532 (1028)

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