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ブレード・タワー等への接近・接触 り、工事の実施に伴う騒音により、改変区域周辺に生息している個体の逃避等の影響が考えられる。しかしながら、工事に伴う騒音は一時的なものである。 以上のことから、影響は小さいものと予測する。さらに、環境保全措置として、工事中は可能な限り低騒音型の建設機械を使用することにより、影響は低減できるものと予測する。 なお、過去に繁殖成功が確認された2001年繁殖期には既設風力発電設備の工事を実施しており、雛の孵化が確認された2001年5月まで近傍での大規模な工事を控え、風車本体の据付も幼鳥が巣立った7月以降に実施する等の配慮を実施し、繁殖成功を確認している。 本種は周年調査地域に生息しており、周辺で繁殖を行う2(Aペア、Cペア)つがいのほか、冬季には越冬個体も周辺に飛来することから、年間を通じてブレード・タワー等への接近・接触の可能性が考えられる。しかしながら、既設風力発電施設の28箇所(15メッシュ)における、本種の年間予測衝突数は、環境省モデルが0.3493個体/年、球体モデルが0.7878個体/年である。新設風力発電設置箇所の5箇所(5メッシュ)における、本種の年間予測衝突数は、5メッシュの合計値で、環境省モデルが0.1814個体/年、球体モデルが0.5411個体/年であり、既設風力発電設備より、新設風力発電設備で、年間予測衝突数は減少する。 なお、既設風力発電施設は2003年8月から稼働しており、18年間の稼働中に本種の2例の衝突事例(2006年6月、2008年1月)が確認されている。予測衝突率によると、環境省モデルでは18年間で6.3個体、球体モデルで14.2個体が衝突する予測となっているが、実際にはその1/3以下の衝突しか確認されていない。また実際に現地調査において観察された飛翔例では、既設風車を認識して避けている行動等も確認されており、本地域では地形条件等により、衝突予測のパラメータとして用いた98%より高い回避率となっている可能性が考えられる。 また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の搬入路に限定され、新設風力発電機は既設風力発電機より間隔が保たれており、本種が迂回可能な空間が確保されている。 以上のことから、本種が風力発電機のブレードへ衝突する可能性は低いと予測する。 10.1.3-525 (1021)

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