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表 10.1.3-107 重要な種の影響予測結果(メダイチドリ) 本種の主な生息環境は草地環境(自然草地(湿性))及び水域であり、事業の実施により生息環境の一部が改変される可能性が考えられる。しかしながら、本種の主な生息環境である草地環境のうち、自然草地(湿性)の改変割合は1.7%と小さく、水域も改変されない。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の輸送路に限定される。 以上のことから、改変による生息環境の減少・消失に係る影響は小さいものと予測する。さらに地形や既存道路等を十分考慮し、改変面積を最小限に留める等の環境保全措置の実施により、影響は低減できるものと予測する。 本種の主要な移動経路は自然草地(湿地)及び水域であることから、採食行動に係る移動経路の一部が阻害される可能性が考えられる。しかしながら、改変区域は風力発電機の設置近傍及び既設道路周辺に限定されることから、本種が迂回するための空間は確保される。 以上のことから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は小さいものと予測する。 本種の主な生息環境である草地環境(自然草地(湿性))及び水域は、改変区域が含まれることから、工事の実施に伴う騒音により、改変区域周辺に生息している個体の逃避等の影響が考えられる。しかしながら、工事に伴う騒音は一時的なものである。 以上のことから、影響は小さいものと予測する。さらに、環境保全措置として、工事中は可能な限り低騒音型の建設機械を使用することにより、影響は低減できるものと予測する。 旧北区分布型。ユーラシア大陸中央部から東北部にかけて、タリム盆地、東バイカル地方、カムチャツカ半島、チュコト半島などに点々と不連続に繁殖分布し、冬は東アフリカからインド、東南アジア、ニューギニア島に渡ってすごす。日本には旅鳥として、8~11月と4~5月に現れ、海岸地方で比較的よく見られる。海岸の砂浜、干潟、内陸の河川、湖沼、溜池などの砂泥地にくる。繁殖地は亜高山帯や高山帯の湖沼岸、地衣類や草本、灌草が生えるツンドラなどで、6~7月ごろ繁殖する。繁殖の詳しいことはまだわかっていない。砂地に浅い窪みを堀り、植物片を敷いて巣をつくる。1巣卵数は3個。雌雄で抱卵し雛の世話もする。なわばり分散についてはわかっていないが、1km²に2~4番がいるという(Lobkov,1986)。 非繁殖期には3~20羽ぐらいの群れで見られ、シロチドリなどと混じって塒集合をする。40~70羽の群れになることもある。 【参考文献】 「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」(1995年、中村登流・中村雅彦、保育社) 改変による生息環境の減少・消失 移動経路の遮断・阻害 騒音による生息環境の悪化 分布・生態学的特徴 確認状況 本種は現地調査において、猛禽類調査時に確認された。 本種は対象事業実施区域外で1回確認され、対象事業実施区域内では確認されなかった。 影響予測 10.1.3-508 (1004)

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