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表 10.1.3-105 重要な種の影響予測結果(ミゾゴイ) 本種の主な生息環境は樹林環境(針葉樹林、広葉樹林)であり、事業の実施により生息環境の一部が改変される可能性が考えられる。しかしながら、本種の主な生息環境である樹林環境のうち、針葉樹林の改変割合は0%、広葉樹林の改変割合は0.1%と小さい。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の輸送路に限定される。 以上のことから、改変による生息環境の減少・消失に係る影響は小さいものと予測する。さらに地形や既存道路等を十分考慮し、改変面積を最小限に留める等の環境保全措置の実施により、影響は低減できるものと予測する。 本種の主要な移動経路は樹林内であることから、繁殖行動や採食行動に係る移動経路の一部が阻害される可能性が考えられる。しかしながら、改変区域は風力発電機の設置近傍及び既設道路周辺に限定されることから、本種が迂回するための空間は確保される。 以上のことから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は小さいものと予測する。 本種の主な生息環境である樹林環境(針葉樹林、広葉樹林)は、改変区域が含まれることから、工事の実施に伴う騒音により、改変区域周辺に生息している個体の逃避等の影響が考えられる。しかしながら、工事に伴う騒音は一時的なものである。 以上のことから、影響は小さいものと予測する。さらに、環境保全措置として、工事中は可能な限り低騒音型の建設機械を使用することにより、影響は低減できるものと予測する。 本州、九州、四国、伊豆諸島など、基本的に日本の温帯域でのみ繁殖する渡り鳥で、非繁殖期にはフィリピンを中心とした東南アジアで越冬する。台湾及び済州島でも各1例ずつ繁殖記録がある。北海道でも観察記録があるが、繁殖は確認されていない。1960年代以降、個体数が激減しており、越冬地の森林減少、繁殖地での捕食者の増加、都市近郊林における繁殖適地の減少などが原因と考えられている。 標高1000m以下の平地から低山の広葉樹林および針広混交林で繁殖している。開けた農耕地や民家の庭で採食することもある。夜行性と記述されることもあるが、繁殖地での採食や給餌は基本的に日中に行う。ミミズやサワガニ、陸産貝類、地上性昆虫などを主な食物としている。 【参考文献】 「レッドデータブック2014-日本の絶滅のおそれのある野生動物-2 鳥類」(2014年、環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室) 本種は現地調査において、鳥類調査時に確認された。 本種は対象事業実施区域外で1回確認され、対象事業実施区域内では確認されなかった。 改変による生息環境の減少・消失 移動経路の遮断・阻害 騒音による生息環境の悪化 分布・生態学的特徴 確認状況 影響予測 10.1.3-505 (1001)

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