07-houhousyo
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今後、地域の皆様のご意見を踏まえながら、主要な眺望点からの眺望特性等を把握した上で、垂直見込角、主要な眺望方向及び水平視野も考慮して予測及び評価を行い、その結果を踏まえて重要な眺望景観への影響の回避・低減を図ります。シークエンス景観については、視点移動を伴う道路沿道の主要な眺望点により代表させて予測及び評価を行います。 表 7.1-2(12) 配慮書に対する一般の意見と事業者の見解 一般の意見 No. 32 ■景観 既存のオトンルイ風力発電所の風車は海岸沿いに建っているため、サロベツ湿地等から利尻山を眺める場合においては、景観への影響が極めて大きくなっています。現状でも利尻山の景観の中にオトンルイ風力発電所の風車が入っているところがあります。例えば、国道40号線北川口付近(幌延町・豊富町ドライブマップ:国道40号幌延~豊富共同型道路マネジメント会議 参照)やその西側の農道、振老沼の西側の天塩川築堤から利尻山を眺めると、風車が利尻山の景観の前にかかっています。音類は周囲を国立公園に囲まれており、利尻山の景観だけでなく、海岸砂丘と砂丘林の景観に価値があります。ここは、第3回自然環境保全基礎調査により自然景観資源、日本の典型地形に指定されており、風車がなければ、巨大人工物が何もない広大な風景が広がっていたはずです。ここは、国立公園外ですが、国立公園の景観を保全するために、バッファーゾーンとして景観を保全するべき場所です。風力発電事業を推進している幌延町はオトンルイ風力発電所の景観を観光資源として宣伝していますが、サロベツと同様に巨大建造物が何もない風景が音類にある砂丘の比類ない景観的な価値を高めます。道道106号線のオトンルイ風力発電所の前にある駐車場からの景観はまさに海岸砂丘の風景の前に風車が立ちはだかる圧迫感のある状態になっています。また幌延ビジターセンター展望台やパンケ沼から海岸を眺めると海岸砂丘林の上に林立する風車群が、景観の障害となっています。このため、この砂丘のスカイラインから突き出た風車の建設は避けるべきです。 景観は環境影響評価で垂直見込み角のみによって評価されていますが、この地方では広々とした景観そのものに価値があるため、人口密集地を基準に作られた圧迫感の有無による評価基準は適切ではありません。「視認可能な垂直見込み角1度以内では何本か並んで一体として見えても水平見込み角は無視してよい」という判断基準は風車が複数並んでいることを想定しておらず、この地域の景観の価値を無視しています。風車は水平に複数が並んでいると一体のものとして見えるため、1本1本の高さではなく、全体的な水平見込み角によって評価すべきです。水平見込み角により評価すれば、各眺望点からは風車の存在は広々とした景観に対して重大な影響を及ぼしていることが明らかになるはずです。景観調査における調査地点は眺望点からのフォトモンタージュによって評価されていますが、この地域の景観は移動しながら連続的に楽しむものであるため、視点移動を伴うシークエンス景観として評価すべきです。視点移動を伴う道路として、幌延ビジターセンターからパンケ沼にかけての木道と、シーニックバイウェイの「萌える天北オロロンルート」に指定されている道道106号線、幌延ビジターセンターから海岸にかけての道道972号線を評価対象にすべきです。尚、景観の面で考えると北側のサロベツ(サロベツ湿原センターや幌延ビジターセンター)に近いほど風車による影響が大きくなると考えられます。サロベツ湿原センターの木道からは既存の音類風車が視認可能で、大型化すればさらに大きく見え、サロベツの主要な観光地における何もない広大な景観に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。 景観の評価は難しいため、古い一つの指針に依存するのではなく、地元観光業者や自然保護団体などから意見を聞きながら、協議会などで議論をし、地域の環境と意向を十分に勘案したうえで、その影響を評価すべきです。 事業者の見解 7-21 (333)

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