風力発電機の設置位置は、既に改変された土地であると考えられますが、改変面積を最小限に留め、影響の回避および低減に努める予定です。 表 11-3(2) 北海道知事の意見及び事業者の見解 北海道知事の意見 2 個別的事項 (1)地形・地質 区域は、日本の典型地形に選定されている「稚咲内」に位置しているものの、既に改変されている土地であると考えられることから、工事の実施に伴う影響は小さいと予測しているが、改変面積を最小限にするなどの環境保全措置を確実に実施することにより、改めて、影響の回避及び低減に努めること。 (2)動物 ア チュウヒが風力発電設備に衝突した事例の報告がないこと、予測された年間予測衝突数は十分に低い値であることから、各つがいが新設風力発電設備のブレードへ衝突する可能性は低いと予測している。 しかし、更新後の風車は更新対象の風車に比べ大型化する計画に対し、風車の構造変更によるチュウヒの回避行動に係る影響の予測及び評価について十分な科学的根拠が示されていない。 このため、合計の年間衝突数をできる限り小さくするように風車の基数、構造及び配置に係る計画の見直しを行うとともに、措置を講じてもなお重大な影響が生じるおそれがある場合は、稼働制限を含む追加的な環境保全措置を講ずること。 イ オジロワシの営巣地に配慮し、風車の配置・基数を決定したとのことだが、区域近傍に営巣する2つがいについて、営巣地との離隔のみが考慮されており、95%行動圏と年間予測衝突数の関係については確認されていないことから、営巣地が遠いつがいの方が、区域と95%行動圏との重なりが多くなっているにも関わらず、そのことを踏まえた検討が行われていない。 このため、行動圏の解析結果を踏まえ、改めて予測及び評価を実施し、年間の予測衝突回数をできる限り小さくするよう風車の基数、構造及び配置に係る計画の見直しを検討すること。 御指摘の通り、新設風車において回避が生じることにより、一部の地域が餌場として利用できなくなる可能性は否定できないことから、チュウヒの忌避行動が生じているかについて、事後調査において確認します。 チュウヒの新設風力発電設備における年間予測衝突数の分布状況を確認したところ、特定の風車周辺で年間予測衝突数が増加する傾向は確認されなかったことから、新設風力発電設備の配置は、景観等に配慮して直線的で概ね等間隔とした上で、オジロワシの営巣地への配慮として既設風力発電設備より北端から南側へ約200m、南端から北側へ約200m離した位置に配置し、植生自然度9,10の植生を可能な範囲で避けた配置計画とする環境保全措置を実施します。 つがい別の飛翔状況について、図10.1.3-165(p.10.1.3-369)に示しています。 つがい別に年間予測衝突数を予測することは可能ですが、既設風力発電設備周辺での飛翔は少ないことから、越冬期も含めたオジロワシの種全体に対する予測結果と比較すると過小評価になると考えます。 オジロワシの新設風力発電設備における年間予測衝突数の分布状況を確認したところ、特定の風車周辺で年間予測衝突数が増加する傾向は確認されませんでした。そのため、新設風力発電設備の配置は、景観等に配慮して直線的で概ね等間隔とした上で、オジロワシの営巣地への配慮として既設風力発電設備より北端から南側へ約200m、南端から北側へ約200m離した位置に配置し、植生自然度9,10の植生を可能な範囲で避けた配置計画とする環境保全措置を実施します。 事業者の見解 11-12 (1556)
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