御指摘の通り、一般論として風車の大型化により一基あたりの影響(年間予測衝突数など)は大きくなると考えられますが、出力の増加に伴って基数が減ることにより、総合的な環境影響は小さくなる場合もあると考えられます。 今回、オジロワシについて、参考として本事業の方法書記載の各ケースにおける年間予測衝突数を計算しました。その結果、本事業で採用した計画(5基)における年間予測衝突数は、他のケースと比較して最も少ない案となっていることを確認しました。 本事業における6~9基案では、風車の大きさは5基案より小さいですが、風車の基数が増えることで年間予測衝突数として計上されるモデルのメッシュ数が増加するため、オジロワシ以外の種についても予測結果は同様の傾向となり、現在の5基案で他のケースよりも年間予測衝突数は低くなる又は同等程度になると考えております。そのため、現在の案である設置基数5基が妥当であると考えております。 事業者として、著作物の保護の観点から流用や改ざんの防止等を考慮して、印刷・ダウンロードをできないようにしており、今後も同様に対応することを予定しています。 11.2 準備書についての道知事意見及び事業者の見解 準備書についての北海道知事の意見及び事業者の見解は、次のとおりである。 1 総括的事項 (1)準備書における環境影響評価の妥当性について 本準備書において事業者は、環境影響評価項目のほぼ全般にわたり、環境影響は実行可能な範囲内で回避又は低減が図られているものと評価している。 しかし、本事業は、発電所の出力の変更を伴わない更新事業であり、基数を減らすほど風車が大型化するため、環境への影響が大きくなる側面があるにもかかわらず、方法書では5~9基としていた風車の設置基数を、本準備書では5基とした場合のみ予測及び評価が行われており、検討が不十分である。さらに、2の個別的事項で示すとおり、予測及び評価の科学的根拠が示されていない項目や、環境保全措置の検討が十分ではない項目があり、環境影響が実行可能な範囲内で回避又は低減されているとする評価の妥当性が準備書段階では確認できない。 また、環境保全措置の検討が十分ではない項目については、適切な環境保全措置が実施されず、事業の実施により重大な環境影響が生ずるおそれがある。 このため、複数の専門家等からの科学的知見の聴取を含め、科学的根拠を示した上で改めて予測及び評価を行い、適切な環境保全措置を検討すること。その結果、重大な環境影響を回避又は十分低減できない場合若しくは回避又は低減できることを裏付ける科学的根拠を示すことができない場合は、風車の配置の変更や事業規模の縮小など事業計画の見直しを行い、確実に環境影響を回避又は低減すること。 (2)評価書の作成に当たっての留意事項について 評価書の作成に当たっては、風車の設置基数の妥当性、予測及び評価の根拠並びに環境保全措置の検討経過を遺漏なく具体的に記載するとともに、一般に分かりやすい図書となるよう努めること。 (3)準備書の公開について 本準備書については、縦覧期間終了後も事業者のウェブサイトで閲覧が可能とされているが、今後は印刷やダウンロードを可能にすることなど、さらなる利便性の向上に努めること。 表 11-3(1) 北海道知事の意見及び事業者の見解 北海道知事の意見 ご指摘を踏まえ、植物の予測結果の妥当性についても追記すると共に、動物の予測評価及び環境保全措置の内容について、新設風力発電設備の配置やオジロワシへの配慮等に関してより詳しく記載しました。 事業者の見解 11-11 (1555)
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