評価の結果 環境影響の回避・低減に関する評価 地形改変及び施設の存在に伴う景観への影響を低減するための環境保全措置は、以下のとおり である。 ・風力発電機は、景観との調和を図るため、明度・彩度を抑えた塗装とする。 ・既設風力発電所のヤードやアクセス路を極力活用し、新たな改変は最小限にとどめる。 ・変電設備と風力発電施設を接続する送電線については、可能な限り地中埋設とする。 ・風力発電機は、道道106号線沿いに可能な限り直線で配置する。 主要な眺望点及び景観資源並びに主要な眺望景観への影響についての評価の結果は、表 10.1.6-15に示すとおりである。 主要な眺望点への影響としては、眺望点の直接改変はないことから、直接的な影響がないものと評価する。 景観資源への影響としては、稚咲内海岸を除き、直接改変はないことから、直接的な影響がないものと評価する。また、稚咲内海岸は対象事業実施区域の改変区域内に含まれているものの、既設風力発電所のヤードやアクセス路を極力活用し、新たな改変は最小限にとどめ、実行可能な範囲内で影響の低減が図られていると評価する。 主要な眺望景観への影響(水平画角約60度の範囲)としては、「V7.サロベツ原野駐車公園」、「V8.天塩川河川公園」、「V9.鏡沼海浜公園」、「V10.国道232号」、「V13.天塩川河川敷」の5地点において主要な眺望方向の眺望景観に風力発電機が含まれている状況である。そのうち最も大きい垂直見込み角は、「V7.サロベツ原野駐車公園」の約32.5度となっており、「見上げるような仰角にあり、圧迫感も強くなる。」とされている。但し、この垂直見込み角は、眺望方向として風力発電機及びサロベツ方向を見た場合であり、利尻山方向を眺望方向とした場合には風力発電機は視野に含まれないため、影響はみられない。利尻山方向を主要な眺望方向とした場合で、最も垂直見込み角が高い地点は、「V13.天塩川河川敷」であり、約2.9度となっており、「比較的細部まで見えるようになり、気になる。圧迫感は受けない。」とされている。 以上より、一部の地点では風力発電機方向を眺望方向とした場合には、圧迫感を受ける可能性があり、利尻山方向を眺望方向とした場合には、一部の地点で垂直見込み角が圧迫感を受けない程度とされる。また、シークエンス景観としては、視点の移動に伴う景観の変化が小さいことから影響が少ないと予測され、水平的景観としては一部で10度以上の水平視野角となる地点があるものの、垂直見込み角との関係から水平的な景観に対する影響は小さいと予測される。 本事業においては、景観との調和を図るため、明度・彩度を抑えた塗装とし、道道106号線沿いに可能な限り直線で配置するなど、事業者の実行可能な範囲で影響の回避・低減が図られており、環境保全措置を講じることにより、地形改変及び施設の存在に伴う景観への影響は実行可能な範囲内で低減されていると評価する。 10.1.6-90 (1430)
元のページ ../index.html#90