表 10.1.5-12 影響予測に用いる行動圏の内部構造の定義 注: 「チュウヒ保護の進め方」(2016年6月 環境省自然環境局野生生物課)をもとに作成 内部構造の各エリア 営巣中心域 高利用域 行動圏 採食地 営巣場所を中心とする場所で、巣へ運ぶ獲物を処理する場所、餌渡しを行う場所(空中で受け渡しするその直下)、なわばり(営巣地又は営巣しようとする場所を独占的に利用するため、威嚇、追いかけ等によって他の個体を排除し、積極的に防衛しようとする区域)の防衛をする場所、幼鳥が巣立ち後1ヶ月間生息する区域とする。 なお、2繁殖期とも営巣活動が失敗し、営巣中心域が得られない場合は、執着している場所から半径300mの範囲を、営巣中心域と設定する。 繁殖するつがいが高頻度に利用する区域。営巣中心域とともに主要な移動経路、主要な探餌経路、主要なとまり場所、採食地やそこへの移動経路を含む。 地形図を250m四方(採食行動等の特定の行動の解析のためには場合によって125m四方)のメッシュで区分し、出現記録のあるメッシュを凹部がないように囲んで最大行動圏を求める。最大行動圏として特定したメッシュで、かつ、チュウヒの出現のあったメッシュから、相対的な出現頻度が少ない5%分のメッシュを削除したものを95%行動圏とする。メッシュを用いると、行動圏内の利用頻度を把握できる、各種環境と照合ができる、営巣中心域、高利用域及び採食地の面積を算定できるといった利点がある。 なお、この行動圏は目視観察によるデータを積み上げたものであり、実際の行動圏とは一致しない可能性があるため、暫定の行動圏と考えるべきである。 採食に利用される場所(採食行動を行った場所(狩りの成功、不成功に関わらず採食行動(狩り)を試みた場所))及び潜在的に採食地となり得る区域(例:ヨシ群落)。一般に巣に近い範囲に集中して分布するが、高利用域外にも分布する。特にチュウヒでは生息地によっては採食に適した場所が限られており、行動圏内に広く分布していることがある。 定義 10.1.5-20 (1240)
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