幌延_評価書_10章1.5(生態系)【公開版】_リンク削除
102/120

当該ページには非公開情報が含まれる。 viii. まとめ ○工作物の設置等による営巣環境・狩り場環境の消失による影響(工事中/直接改変) チュウヒの営巣に適した環境は、対象事業実施区域内には存在しない。 狩り場環境については、工事の実施及び施設の存在により一時的に影響を受けると予測される。しかし、各つがいの高利用域内に狩り場環境は広く残されること、改変区域の環境は新設風力発電設備の設置箇所や管理用道路以外の工事用道路や作業ヤードについては改変前と同じ二次草地に遷移すると考えられること、既設風力発電設備や管理用道路が存在している状態で、チュウヒは対象事業実施区域及びその周辺を特に回避することなく採食環境として利用していること、好適採食地の改変割合は小さく工事の実施及び施設の存在による影響が小さいと予測されることから、工作物の設置等によるチュウヒの生息に対する影響は小さいと予測する。 本予測にあたっては、既設風力発電設備が稼働している状況下で実施した現地調査結果に基づき解析を行っていることから、予測結果についての不確実性は低いものと考える。 ○営巣つがいへの騒音・振動等による影響(工事中/直接改変以外) 確認されたチュウヒの営巣場所は改変区域から000000離れた位置にあり、チュウヒの営巣適地は対象事業実施区域周辺には存在しないこと、餌運び以外のディスプレイや繁殖に関連する行動は、対象事業実施区域内では確認されていないことから、工事の実施による一時的な本種の繁殖活動への影響は小さいと予測する。 本予測にあたっては、チュウヒに対する工事の影響については詳しい知見はないことから、予測結果については不確実性が伴うものと考えられる。 ○ブレード・タワー等への接近・接触(存在・供用時/直接改変以外) 重要な種におけるチュウヒへの予測においては、既設風力発電施設の28箇所(15メッシュ)における、本種の年間予測衝突数は、環境省モデルが0.0270個体/年、球体モデルが0.0628個体/年である。新設風力発電施設の5箇所(5メッシュ)における、本種の年間予測衝突数は、環境省モデルが0.0204個体/年、球体モデルが0.0651個体/年であり、環境省モデルでは、既設風力発電設備より新設風力発電設備で、年間予測衝突数は減少するものの、球体モデルではわずかに上昇すると予測された。これは既設風力発電設備のローター下端が48.75mなのに対し、新設風力発電設備では25.5mとなることが影響していると考えられる。 しかしながら、風車を横切る飛翔の対地高度を確認してみたところ、10m以下の飛翔例が50%以上となっており、25m以下では89%である。実際に地上を見ながら探餌行動を行っている際の飛翔高度は、数m~10m以下と非常に低く、対地高度25m以上を横切る場合は、餌の捕獲に成功して営巣地に運ぶ場合や旋回上昇中、滑空などが多い。餌運び時には周辺の状況に気を配り風車も認識して飛翔すると考えられること、「海ワシ類の風力発電施設バードストライク防止策の検討・実施手引き(改訂版)」(2022年、環境省)において、下方を注目することで周辺への警戒心が下がることが、衝突発生の要因の一つとして示されていることを踏まえると、旋回上昇中や滑空時には飛翔方向を注視すること、実際にチュ10.1.5-102 (1322)

元のページ  ../index.html#102

このブックを見る