イ. 渡り鳥の確認状況 渡り鳥調査(定点観察調査及び空間飛翔調査)では、2019年9月~11月の秋季調査において延べ200,019個体、2020年3月~5月の春季調査において延べ7,416個体、2020年9月~11月の秋季調査において延べ18,752個体、2021年3月~5月の春季調査において延べ21,266個体、2022年4月~5月の春季調査において1,082個体の渡りが確認された。 なお、2020年春季は、空間飛翔調査は新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の影響により中止して2022年4月~5月に実施しており、2020年春季の結果は定点観察調査の結果のみを整理している。 以降、渡り鳥の確認状況について、ガン類、ハクチョウ類、カモメ類、猛禽類、スズメ目鳥類に分けて整理した。 (ア) ガン類 <2019年9月~11月:秋季> ガン類の飛翔経路(図 10.1.3-289)を見ると、多くはサロベツ湿原のパンケ沼・ペンケ沼と天塩川左岸の振老旧川を結ぶ線上で飛翔が確認された。一部は渡りではなく、パンケ沼・ペンケ沼と振老旧川との間を往復する飛翔や、その間にある牧草地への採餌のため飛来する飛翔が確認された。なお、風車を横切る飛翔は非常に少なかった。ガン類については、主要な渡り経路は対象事業実施区域より東側と考えられる。 <2020年3月~5月:春季> ガン類の飛翔経路(図 10.1.3-290)を見ると、飛翔経路は調査地域上空も含めて分散しており、飛来した個体はパンケ沼・ペンケ沼と振老旧川との間を往復する様子も確認されている。空間飛翔調査を実施していないことを差し引く必要はあるが、秋季に比べると確認例数は少ない傾向があり、また飛翔経路も分散する傾向が見られた。どの事例も高い位置を飛翔しており、新設風力発電設備と衝突する可能性は低いと考えられる。 <2020年9月~11月:秋季> ガン類の飛翔経路(図 10.1.3-291)を見ると、飛翔経路は2019年の結果と同様の傾向であり、パンケ沼・ペンケ沼と振老旧川を結んだルートや、直接天塩川河口に向けて飛翔する個体が確認された。調査地域上空を通過する個体は非常に少なかった。 <2021年3月~5月:春季> ガン類の飛翔経路(図 10.1.3-292)を見ると、飛翔経路は2020年の結果よりも、より東側を飛翔する傾向が見られた。基本的にはパンケ沼・ペンケ沼と振老旧川を結んだルートを飛翔する個体が確認された。調査地域上空を通過する個体は非常に少なかった。 <2022年4月~5月:春季> ガン類の飛翔経路(図 10.1.3-293)を見ると、マガンが1回確認されたのみであった。 10.1.3-629 (1127)
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