幌延_評価書_10章1.3 環境影響評価の結果(動物)【公開版】
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表 10.1.3-121 重要な種の影響予測結果(ミサゴ) 本種の主な生息環境は樹林環境(針葉樹林)及び水域であり、事業の実施により本種の生息環境の一部が改変される可能性が考えられる。しかしながら、本種の主な採食地である規模の大きな河川や海域は対象事業実施区域には含まれない。また、本種の営巣環境となる樹林環境のうち、針葉樹林は改変されず、水域も改変されない。また、本種の営巣場所は予測地域では確認されていない。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の輸送路に限定される。 以上のことから、改変による生息環境の減少・消失に係る影響は小さいものと予測する。さらに地形や既存道路等を十分考慮し、改変面積を最小限に留める等の環境保全措置の実施により、影響は低減できるものと予測する。 本種の主要な移動経路は樹林地の上空及び水域の上空であることから、繁殖行動や採食行動に係る移動経路の一部が阻害される可能性が考えられる。しかしながら、改変区域は風力発電機の設置近傍及び既設道路周辺に限定されることから、本種が迂回するための空間は確保される。 以上のことから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は小さいものと予測する。 本種の主な生息環境のうち樹林環境は改変区域に含まれていないが、比較的近傍に位置しており、工事の実施に伴う騒音により、改変区域周辺に生息している個体の逃避等の影響が考えられる。しかしながら、工事に伴う騒音は一時的なものである。 以上のことから、影響は小さいものと予測する。さらに、環境保全措置として、工事中は可能な限り低騒音型の建設機械を使用することにより、影響は低減できるものと予測する。 本種は夏鳥として調査地域に生息しており、春秋の渡り期から繁殖期にかけてブレード・タワー等への接近・接触の可能性が考えられる。しかしながら、既設風力発電施設の28箇所(15メッシュ)及び新設風力発電設置箇所の5箇所(5メッシュ)において、現地調査では高度Mの飛翔は確認されなかった。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の搬入路に限定され、新設風力発電機は既設風力発電機より間隔が保たれており、本種が迂回可能な空間が確保されている。さらに、音声発生装置を用いた環境保全措置の実施により、衝突確率はより低減できると考えられる。 以上のことから、本種が風力発電機のブレードへ衝突する可能性は低いと予測する。 種ミサゴは5亜種に分類され、極地を除くほぼ全世界の陸水域、海岸域に生息する。寒地のものは南方に渡って越冬する。本亜種は旧北区に広く分布・繁殖し、国内では全国で見られ、北海道から九州の水域周辺の針葉樹や岩場に営巣する。 ほぼ完全な魚食性で、滑りやすい魚を捕獲するため、足裏に棘があり、外側足指が後ろに回る。 【参考文献】 「レッドデータブック2014-日本の絶滅のおそれのある野生動物-2 鳥類」(2014年、環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室) 本種は現地調査において、鳥類調査、猛禽類調査及び渡り鳥調査時に確認された。 本種は合計34回確認され、対象事業実施区域内で1回、対象事業実施区域外で12回、調査地域外で21回確認された。 改変による生息環境の減少・消失 移動経路の遮断・阻害 騒音による生息環境の悪化 ブレード・タワー等への接近・接触 分布・生態学的特徴 確認状況 影響予測 10.1.3-544 (1042)

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