表 10.1.3-116 重要な種の影響予測結果(サルハマシギ) 本種の主な生息環境は草地環境(自然草地(湿性))及び水域であり、事業の実施により生息環境の一部が改変される可能性が考えられる。しかしながら、本種の主な生息環境である草地環境のうち、自然草地(湿性)の改変割合は2.1%と小さく、水域も改変されない。また、改変は風力発電機の設置箇所や一部の輸送路に限定される。 以上のことから、改変による生息環境の減少・消失に係る影響は小さいものと予測する。さらに地形や既存道路等を十分考慮し、改変面積を最小限に留める等の環境保全措置の実施により、影響は低減できるものと予測する。 本種の主要な移動経路は自然草地(湿地)及び水域であることから、採食行動に係る移動経路の一部が阻害される可能性が考えられる。しかしながら、改変区域は風力発電機の設置近傍及び既設道路周辺に限定されることから、本種が迂回するための空間は確保される。 以上のことから、移動経路の遮断・阻害に係る影響は小さいものと予測する。 本種の主な生息環境である草地環境(自然草地(湿性))及び水域は、改変区域が含まれることから、工事の実施に伴う騒音により、改変区域周辺に生息している個体の逃避等の影響が考えられる。しかしながら、工事に伴う騒音は一時的なものである。 以上のことから、影響は小さいものと予測する。さらに、環境保全措置として、工事中は可能な限り低騒音型の建設機械を使用することにより、影響は低減できるものと予測する。 旧北区分布型。ユーラシア大陸の環極地方のエニセイ川からコリマ川のきわめて限られた地域で繁殖し、アフリカ大陸、インド、東南アジア、ニューギニア島、オーストラリア大陸に渡って越冬する。日本には旅鳥として少数が現れ、8~10月と4~6月に海岸砂浜の水溜まり、河口や入江の干潟、池沼の砂泥地などで見られる。繁殖地は湖沼の多い極地ツンドラである。 【参考文献】 「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」(1995年、中村登流・中村雅彦、保育社) 改変による生息環境の減少・消失 移動経路の遮断・阻害 騒音による生息環境の悪化 分布・生態学的特徴 確認状況 本種は現地調査において、猛禽類調査時に確認された。 本種は調査地域外で1回確認され、対象事業実施区域内では確認されなかった。 影響予測 10.1.3-537 (1035)
元のページ ../index.html#537