評価基準 調査対象地域の主要な生態系(草地、樹林等)において、食物連鎖の上位に位置する。 行動圏の広さが、事業実施による影響を的確に把握するのに適している。 対象事業実施区域及びその周辺域への依存性が高い。 対象事業実施区域の環境改変により影響を受ける可能性がある。 風車が稼働する空間の利用が制限され影響を受ける可能性がある。 調査がしやすく、分布、生態を把握する上で調査すべき情報が得やすい。 表 8.2-23(2) 注目種選定における考え方(上位性) 選定する上での考え方 調査地域の主要な環境類型区分において、食物連鎖の上位に位置する種を選定する。基本的に肉食系のキタキツネ、チュウヒ、ノスリ、オオタカ、ハヤブサについては○とした。エゾヒグマ及びエゾクロテンは雑食性のため△とした。また、腐肉食者の側面もあるオジロワシについては△とした。 行動圏が非常に広い場合には、事業実施による影響は相対的に小さく評価される可能性があるため、事業による影響を的確に把握することができない。そのため、行動範囲が非常に広いエゾヒグマは、事業による影響を的確に把握できないと考えられる。キタキツネ、エゾクロテン、オジロワシ、チュウヒ、ノスリ、オオタカ、ハヤブサについては、一般的な生態等から事業実施による影響を的確に把握できると想定されることから○とした。 対象事業実施区域周辺の環境を主要な餌場又は繁殖地として利用している種を選定する。哺乳類等については現地調査結果を踏まえ、キタキツネ、エゾクロテンは○とした。ヒグマは稀に出現するのみであることから×とした。猛禽類については、オジロワシは近傍に営巣地があり飛翔回数も多く確認されていることから、チュウヒは飛翔回数が多く事業実施区域周辺を主要な餌場として利用している可能性が高いことから○とした。なお、ノスリ、オオタカ及びハヤブサは、出現頻度が低かったことから△とした。 対象事業実施区域の直接改変によって、生息環境(採食環境)の減少などの影響が生じると考えられる種を選定する。哺乳類等については、現地調査結果を踏まえ、エゾクロテン、キタキツネは△とし、エゾヒグマは×とした。猛禽類については、チュウヒは対象事業実施区域周辺でネズミ類や小型鳥類を採食していると想定されることから○とした。魚食性であるオジロワシについては、採食環境への影響は想定されないため×とした。ノスリ及びハヤブサは出現頻度が低かったことから△とした。オオタカは出現頻度が低く、既設風車周辺での確認が非常に少なかったことから×とした。 風車が稼働する空間の利用が制限される種(衝突等の可能性がある種)を選定する。風車の稼働する空間を利用しない哺乳類については×とした。空中を移動する猛禽類全般については○とした。 調査地域における生息状況や採餌行動、繁殖状況など、調査すべき情報が技術的に調査可能であること等を考慮して選定する。エゾヒグマ及びエゾクロテンについては、行動圏を把握することが困難と考えられることから△としている。猛禽類全般については、定点観察調査によって飛翔状況等の生息状況を把握できると考えられることから○としている。 8-63 (347)
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