幌延_評価書_6章 方法書についての意見と事業者の見解
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<総括的事項> 意見 土地の改変箇所等の決定、その他事業計画の策定に当たっては、影響の回避を最優先に環境保全措置を検討し、その結果として「10.2.2 環境保全措置の検討の過程及び結果」に示す環境保全措置を実施します。 1 北海道知事意見 事業者の見解 また、2の個別的事項のご指摘を踏まえ、「10.1.9 専門家へのヒアリング」等に記載したとおり、複数の専門家等の助言を得るなどしながら、適切な方法により調査を行い、科学的知見に基づいて予測及び評価を実施し、その結果を踏まえて事業計画の検討に反映し、事業による環境影響の回避・低減を図りました。 予測の不確実性を伴う選定項目については事後調査を実施します。また、その結果を踏まえ、必要に応じて専門家の助言や指導を仰ぎ、環境保全措置を検討します。 6.2 方法書についての北海道知事の意見及び事業者の見解 方法書について北海道知事の意見及びこれに対する事業者の見解は以下のとおりである。 本事業は、宗谷管内幌延町で平成15年から運転されている「オトンルイ風力発電所」(最大出力21,000kW、28基。以下「既設風力発電所」という。)の更新を行うものであり、約100haを対象事業実施区域として、最大出力は同程度とし、既設風車より大型化した5~9基の風車による風力発電所を設置する計画である。 対象事業実施区域は利尻礼文サロベツ国立公園特別地域に囲まれた狭い帯状の地域の一部であり、その東側は、特別地域の中でも特に優れた景観や生態系を維持する目的で指定される特別保護地区に近接しているほか、同区域の周辺にはラムサール条約湿地であるサロベツ原野や重要野鳥生息地(IBA)、稚咲内生物群集保護林が存在しているなど、同区域の周囲は自然環境保全上、極めて重要な地域となっている。この地域における「サロベツ原野の自然景観」や「利尻山を望む景観」などは、利尻礼文サロベツ国立公園における重要な眺望景観となっている。また、対象事業実施区域及びその周辺はガン類などの渡りの経路となっているほか、同区域の周辺ではオジロワシなど希少猛禽類の繁殖情報がある。さらに、対象事業実施区域の周辺では、他事業者が計画している風力発電事業が複数ある。 以上を踏まえ、本事業による環境影響を回避又は十分に低減するため、事業者は次の事項に的確に対応すること。 1 総括的事項 (1) 今後の風力発電設備、変電設備、工事用道路等の設置等、事業の実施に伴う土地の改変箇所等の決定、その他の事業計画の策定に当たっては、環境に配慮すべき区域を除外するなど、影響の回避を最優先に環境保全措置を検討すること。 また、2の個別的事項の内容を十分に踏まえ、可能な限り評価項目及び分類群ごとに複数の専門家等の助言を得るなどしながら、各環境要素に係る環境影響について適切に調査を行い、科学的知見に基づいて予測及び評価を実施し、その結果を事業計画に反映させること。その過程において、重大な環境影響を回避又は十分低減できない場合若しくは回避又は低減できることを裏付ける科学的根拠を示すことができない場合は、事業規模の縮小など事業計画の見直しを行うことにより、確実に環境影響を回避又は低減すること。 なお、予測の不確実性の程度が大きい選定項目について環境保全措置を講ずる場合や効果に係る知見が不十分な環境保全措置を講ずる場合等においては、事後調査を実施すること。 6-22 (276)

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