図 重要種と集団飛来地のメッシュの重ね合わせ 表 メッシュのランクと注意喚起レベル 参考資料:「地理情報システム(GIS):風力発電における鳥類のセンシティビティマップについて」 (https://www2.env.go.jp/eiadb/ebidbs/Service/About?title=SensitivityMap) 【参考】風力発電立地検討のためのセンシティビティマップにおける注意喚起メッシュ作成方法 【重要種】 まずバードストライクとの関連性が高い種や生息地の改変に鋭敏な種を10種選定し、それぞれ程度の高い方から3、2、1とランク付けを行いました。 重要種の選定は、はじめに環境省レッドリストから絶滅危惧種・野生絶滅種に記載されている98種を抽出しました。次に、生息環境と陸域風力の設置場所との関係、バードストライクの事例の有無、風車との関連性(McGuinness et al.2015)等から風力との関係が注目される重要種として10種を選定しました。このうち、「個体数が極小」、「個体数が少なく減少傾向」、「生息地が局所的で生息地の減少の影響が大きくかつ生息環境が特殊」のいずれかに該当するイヌワシ、シマフクロウ、チュウヒ、オオヨシゴイ、サンカノゴイをランク3とし、それ以外の種については、国内でのバードストライクの事例が多いオジロワシをランク2、事例が少ないもしくは関係が不明のクマタカ、オオワシ、タンチョウ、コウノトリをランク1としました。 最後に、重要種が分布している10kmメッシュにその重要種のランクを付け、10種のメッシュを重ね合わせました。同一メッシュに複数の重要種が分布する場合には、最も大きいランクをそのメッシュに付けました。 【集団飛来地】 集団飛来地については、ガン類、ハクチョウ類、カモ類、シギ・チドリ類、カモメ類、ツル類(ナベヅル・マナヅル)、ウミネコの繁殖地、その他の水鳥類、海ワシ類及びその他の猛禽類を対象としました。水鳥類については、はじめにラムサール条約湿地に指定されている場所の個体数データ(モニタリングサイト1000調査)を基に、分類群ごとに個体数の基準を3、2、1とランク付けました(個体数の多いものはランクが高くなります)。 同様に、海ワシ類は「2016年のオオワシ・オジロワシ一斉調査結果について」(オジロワシ・オオワシ合同調査グループ,2016)の個体数データから、猛禽類は「平成27年度風力発電施設に係る渡り鳥・海ワシ類の情報整備委託業務報告書,風力発電施設立地適正化のための手引きに関する資料」(環境省自然環境局野生生物課,2016)の個体数データから、個体数の基準をランク付けしました。 これらの基準を用いて、現地調査結果や文献による個体数データについて10kmメッシュごとにランクを付けました。 なお、集団飛来地のヒアリング調査結果の情報があるメッシュは一律ランク1を、集団飛来地に関連するラムサール条約湿地及び国指定鳥獣保護区は一律ランク3を付けています。 【重要種と集団飛来地の重ね合わせ】 最後に、メッシュごとに重要種と集団飛来地のランクを合計して、メッシュのランクを決定しました(図参照)。メッシュのランクに応じて、注意喚起レベルを決定しました(表参照)。 3-41 (85)
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