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既設風力発電所における既往知見 a. 希少猛禽類調査結果 「北海道幌延町における風力発電事業に係わる生態系環境調査」(幌延風力発電株式会社、平成14年)及び「オトンルイ風力発電Ⅱ期整備事業に係る猛禽類モニタリング調査最終報告書」(幌延風力発電株式会社、平成17年)によると、既設風力発電所(2003年9月運転開始)では、2001年4月~2002年8月、2005年3月~8月にかけて、希少猛禽類を対象とした現地調査を月1回の頻度で実施している。 現地調査の結果、2目3科16種の猛禽類が確認され、そのうち表 3.1-14に該当する重要な種は9種(ミサゴ、ハチクマ、オジロワシ、オオワシ、チュウヒ、ツミ、ハイタカ、オオタカ、ハヤブサ)確認されている。また、このうちオジロワシ、チュウヒ、オオタカの3種については、繁殖に関連した行動が確認されている。 オジロワシについては、調査期間の毎月確認されており、平成13年には抱卵から巣立ち等の繁殖に関連した行動が、既設風力発電所より北側で確認されている。また、調査期間の毎月、既設風力発電所より西側の海岸沿いと東側の樹林帯を往復している飛翔が確認されており、既設風力発電所の上空を移動経路として利用していたものと考えられる。 チュウヒについては、2001年4月~10月、2002年3月~8月、2005年3月~7月に毎月確認され、ディスプレイ、交尾、鳴き交わし等の繁殖に関連した行動がパンケ沼から南のサロベツ川沿いで確認されている。また、既設風力発電所周辺の草地に飛来する状況が確認されており、既設風力発電所の周辺を採食場所として利用していたものと考えられる。 オオタカについては、2001年4月~12月、2002年3月~8月、2005年3月~5月、7月、8月に確認され、繁殖に関連した行動として、2002年8月に幼鳥の鳴き声1例が既設風力発電所より北側で確認されている。そのほか、平成13年営巣期には同種間攻撃や監視とまりと推定される行動等が、既設風力発電所より北側で確認されている。 なお、希少猛禽類以外には、2002年3月、4月、2005年4月にヒシクイが、2002年3月にコハクチョウ等が確認されているが、既設風力発電所の周辺を利用するような行動等は確認されていない。 3-34 (56)

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